震災催し中止風化不安

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昨年の政府主催の追悼式で献花する遺族ら(2019年3月11日、千代田区で)
昨年の政府主催の追悼式で献花する遺族ら(2019年3月11日、千代田区で)

しおみさんが音楽家らとともに参加した宮城県石巻市での昨年の追悼イベント(2019年3月11日撮影、しおみさん提供)
しおみさんが音楽家らとともに参加した宮城県石巻市での昨年の追悼イベント(2019年3月11日撮影、しおみさん提供)

新型コロナ拡大防止へ「やむを得ず」

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府主催の追悼式を始めとした東日本大震災関連の行事が、相次いで中止、延期となっている。関係者の間には感染拡大を防ぐためにはやむを得ないとする声がある一方、被災者は震災の記憶の風化につながることに不安を抱いている。

■多摩地域各地で

 羽村市は2014年度から、3月11日の前後に「防災週間」を設け、防災イベントを集中して行ってきた。今年も3~8日に写真展などを計画したが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、全て中止とした。

 5日に予定していたイベントは、宮城県東松島市で被災した大学生の講演会。東京の若者に、同世代の被災者の体験を聞いてもらうことを目的としていた。

 羽村市防災安全課の担当者は「今回はやむを得ず中止にしたが、来年はまた同じ学生を招いて講演会を開きたい」としている。

 福島県浪江町と交流を続けている多摩市の桜ヶ丘商店会連合会などは、同町関係者を招いて市内で7日に開催予定だった「復興フォーラム2020」や、4月4日の「講演と映画のつどい」の中止を決定。

 日野市の演奏家グループ「ハーモニー」は震災翌年から、毎年3月11日に開催してきたチャリティーコンサートを中止とした。今回のプログラムでは、宮城県気仙沼市の被災者を招き、震災の体験を語ってもらう予定だった。

 グループの代表は「コロナウイルスの問題が収束していないので、仕方ない。日を改めて開催したい」と肩を落とした。

■被災地イベントも

 被災地のイベントも中止、延期が相次いでいる。立川市の音楽プロデューサー、しおみえりこさん(67)は、東日本大震災の津波で泥まみれになった着物の切れ端をパッチワークにする活動を続けているが、参加予定だった宮城県石巻市での11日の追悼イベントが、4月以降に延期となった。

 しおみさんは、このイベントに都内在住の音楽家とともに参加し、世界46か国の市民が「追悼と復興への祈り」を込めて作ったパッチワークを展示したり、箏や尺八の演奏を披露する予定だった。

 しおみさんは「イベントは延期になったが、11日にはメンバーと石巻市を訪れて黙とうをささげたい」と話した。

■被災者「残念」

 武蔵野市に住む福島市出身のパート岡田めぐみさん(37)は政府主催の追悼式の中止について、「残念。できれば開催してほしかった」と複雑な表情を見せた。

 岡田さんは震災発生から数日後、当時3歳だった長女、1歳だった長男を連れて、福島市から東京へ避難。妊娠4か月だった。身内や友人に犠牲者は出なかったが、追悼式は毎年テレビで欠かさず見てきたという。「国民が震災を覚えていてくれる実感があり、式を心の支えにしていた。国の行事までなくなると、震災が忘れ去られていくような気がしてつらい」と心の内を明かした。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、勤め先の公共施設が休館となっているため、11日の発生時刻は、震災後に生まれた次女、次男も含めて4人の子どもらと、自宅で被災地へ向かって黙とうするつもりだという。

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1100631 0 ニュース 2020/03/11 05:00:00 2020/03/11 05:00:00 2020/03/11 05:00:00 東日本大震災から8年。政府主催の追悼式で献花する遺族ら=代表撮影。東京都千代田区の国立劇場で。2019年3月11日撮影。2019年3月11日に行われた追悼式。2011年3月11日に発生した東日本大震災。発生翌年の12年から、政府主催の追悼式が開かれてきたが、発生から10年となる来年が最後となることになった。2020年1月30日読売KODOMO新聞[しゃかい]「震災の追悼式 国主催終了へ」掲載。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/03/20200310-OYTNI50019-T.jpg?type=thumbnail

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