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亡き母の戦争記憶 小説に 八王子・前野さん

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小説「キミ達の青い空」を手に笑顔を見せる前野博さん
小説「キミ達の青い空」を手に笑顔を見せる前野博さん

前野貴美さん(前野博さん提供)
前野貴美さん(前野博さん提供)

女性の苦悩や成長つづる

 八王子市で貸しビル業を営む前野博さん(71)が今月、母から聞いた1945年8月の八王子空襲など戦時中の出来事や、当時の若い女性の苦悩や成長をつづった初の長編小説を出版した。

 小説のタイトルは「キミ達の青い空――八王子空襲から七十五年――」。主人公は八王子市内の理髪店で働いていた「キミ」で、2018年8月に96歳で亡くなった前野さんの母、貴美さんがモデルだ。小説では、都心から疎開してきた学童らとのふれ合い、米軍の機銃掃射で命を落とした親友、降り注ぐ焼夷弾しょういだんから逃げ惑った空襲など75年前の戦争末期の日々と、天寿を全うしようとしている老境期の姿が、並行して描かれている。

 貴美さんは戦前は市内の家族の理髪店で働き、戦後は夫が経営する洋服店を手伝いながら菓子店を営んだ。子どもは6人。住み込みの店員もいた大家族の面倒をみていた。

 前野さんは、貴美さんがいつも働いている姿しか覚えていないというが、客が途絶えた時などに、貴美さんは時折、店を手伝う前野さんに戦争の思い出を語ることがあった。焼夷弾の直撃を受けて倒れる人、黒焦げになって横たわる遺体など、戦争の恐ろしさを語り聞かせてくれたという。

 前野さんは母から聞いた戦争の記憶を次世代に引き継ぎたいと、3年前から筆を執り、商店街振興組合の理事長の仕事をしながら、書きためていった。若い頃、作家を志したことがあったが、小説を書いたのはこれが初めて。前野さんは「年齢を重ねてきて、何か一つは書き残したいと思い立った。戦後75年の節目と母の三回忌に間に合って、ほっとしています」と話している。

 「キミ達の青い空」はA5判、346ページ。定価1200円(税抜き)。問い合わせは、出版元の揺籃社(042・620・2615)へ。

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1309696 0 ニュース 2020/06/30 05:00:00 2020/06/30 05:00:00 2020/06/30 05:00:00 製本され届いたばかりの作品を手に笑顔を見せる前野さん(23日) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/06/20200629-OYTNI50035-T.jpg?type=thumbnail

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