ゴッホ貼り絵 心も重ねて

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躍動感があるゴッホの筆遣いを貼り絵で再現した巨大看板(11日、福生高校で)
躍動感があるゴッホの筆遣いを貼り絵で再現した巨大看板(11日、福生高校で)
美術部員による作業風景(福生高校提供)
美術部員による作業風景(福生高校提供)
細部を見ると小さな色紙で作られていることがわかる
細部を見ると小さな色紙で作られていることがわかる

「色彩がコロナ禍照らす」 福生高・美術部員ら密避け作業、海外校も協力

 強烈な色彩で働く喜びを表現したゴッホの「種をまく人」。都立福生高校(福生市)の美術部員が、貼り絵でこの名画の巨大看板を制作し、校舎の壁面に展示している。新型コロナウイルスの感染拡大で共同作業が困難な中、部員は海外の学校にも協力を依頼。「人のつながりを大切にしようという思いを込めた」と話し、大作の完成に大きな手応えを感じている。(斎藤茂郎)

■看板高さ8メートル 看板は、校舎の3階にまで及ぶ高さ8・1メートル、幅10・4メートル。塗料は使わず、色紙をちぎって貼ったベニヤ板60枚を組み合わせて制作した。部長(2年)は、「種をまく人」を画題に選んだ理由について「コロナ禍で人の心は暗くなっているが、『太陽の強い光で生まれる色彩が、私たちを明るく照らしてくれたら』という願いがあった」と打ち明ける。

 同部は6年前から貼り絵で巨大看板を制作し、毎年9月の文化祭や市内で開かれる「福生七夕まつり」で発表してきた。貼り絵という手法について顧問の松岡健太郎教諭(52)は「絵の細部が観察でき、色彩や作者の意図を理解することにつながる。自らの表現力を高めるのにも役立つ」と考え、これまで部員と一緒にモネの印象画や葛飾北斎の浮世絵などの再現を手掛けてきた。

■工程を工夫 ところが、今年はコロナで文化祭は中止になった。感染を防ぐために共同作業もままならない。そんな中でも部員は「伝統の貼り絵だけはやりきりたい」と、SNSで話し合って8月から制作に着手した。

 工夫をしたのは、制作の進め方だ。これまではもとの絵をマス目に分割し、1マス分に相当するベニヤ板(縦約180センチ×横約90センチ)に、手でちぎった色紙を洗濯のりで貼り付けていた。今回は「3密」を避けるため部員一斉の作業は避け、模造紙に色紙を貼る作業を別々に行い、これを集めて板に貼る方法にした。副部長(2年)は「多くの人が別々に作業したので、模造紙や板をつなぎ合わせる時に、境目の色合いを調整するのに特に苦労した」と振り返る。

 制作には交流のあるマレーシアのよう中華中学と、台湾の三峽國さんきょうこく中学にも参加を呼びかけた。英語部の指導で説明動画を撮影し、板や色紙を現地に送り、太陽の部分を両校が制作した。総勢約200人が注力した看板は今月完成した。

■除幕式で歓声 11日の除幕式では、ネットでつながったマレーシアと台湾の生徒らから「楽しく参加できて感謝しています」などと伝えられた後、岩渕さんが「全員の努力の結晶です」とあいさつ。幕が外されて壮大な名画が姿を現すと、集まった生徒らから歓声が上がった。

 近づいて見ると、畑の土を茶や青、ピンクなどの色紙を巧みに貼り合わせて再現していることがわかり、多くの人がその出来栄えに感心していた。

 松岡教諭は「部員は先輩から技術を受け継ぎ、工夫をしながら看板を作り上げた。海外校とも協力でき、コロナ禍で意義のある作品が生み出せた」と話していた。

 看板は23日まで公開される。一般の人も感染対策の上で、名簿に記入すれば見ることができる。問い合わせは同校(042・552・5601)へ。

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1633971 0 ニュース 2020/11/18 05:00:00 2020/11/18 05:00:00 2020/11/18 05:00:00 ゴッホの名画を貼り絵で再現した巨大看板(11日、都立福生高校で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201117-OYTNI50023-T.jpg?type=thumbnail

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