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奥多摩移住挑んだ10年 神奈川出身・菅原さん

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挫折、再起…1冊に

 大学のサークル活動で通った奥多摩に移住して地域活性化を模索し続けた菅原和利さん(33)が、約10年の挑戦をまとめた「自分の地域をつくる」(本の種出版)を出版した。仕事と暮らし、遊びが調和した「奥多摩ライフ」。挫折と再起の末につかんだその生き方を多くの人に伝え、地方移住を考える人の背中を押したいと意気込んでいる。(鈴木章功)

 神奈川県小田原市出身の菅原さんは2006年、法政大学で地域課題の解決策を探るサークルに入会。それから研究対象地域だった奥多摩を何度も訪れ、森の荒廃や少子高齢化など年々深刻化していく課題を目の当たりにした。

 その一方で、豊かな自然やヒアリングで知り合った人たちとの交流も楽しんだ。通う度に人脈も広がり、こっそり内緒話を聞けるまでに。次第に「理想的な社会の可能性」を、奥多摩に感じるようになったという。

 4年生になってIT企業への就職は決まったものの、奥多摩が頭から離れなかった。「大学で学んだことを仕事に発展させるべきではないか」。そう考えて、内定を辞退し、10年に奥多摩に移住。仲間とともにキャンプ場での結婚式や、空き家を共有別荘に活用する事業を始めた。

 だが、12年に実家の都合で小田原に戻らざるをえなくなり、手がけていた複数の事業を途中で断念。頭を切り替え不動産会社の営業に没頭していると、知人から奥多摩の木で商品を作る会社の起業に誘われた。折しも実家の問題も解決したことから、奥多摩に戻る決断をした。

 13年に設立された新会社では、営業を担当。試行錯誤の末、幼稚園や保育園に木の遊具を売り込み、得意先になってもらうことに成功した。この「木育事業」が会社の柱として育ち、18年以降は黒字が続いているという。

 プライベートでは15年に結婚し、2人の子どもに恵まれた。幼い子どもを渓流に連れて行ったり、木に触れさせたりしながら、子育ての喜びも感じている。自身が子どもだった頃に趣味だった釣りも再開し、人生に必要な「楽しさ」を実感する毎日だ。

 出版社の提案を受けて書き上げた本の副題は、「ワーク・ライフ・プレイミックス」。「仕事」と「暮らし」に「遊び」を調和させるという、奥多摩の先輩たちから学んだ生き方を表している。

 菅原さんは「コロナ禍で地方への移住が注目されているが、私の経験が少しでも役に立てばうれしい」と話している。

 四六判、187ページ、1700円(税抜き)。全国の書店やアマゾンで販売している。

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