青梅線沿線ホテル化 JR東23年開業目指す

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実験的に販売したツアーの際に使われた、古民家を改修した宿泊施設
実験的に販売したツアーの際に使われた、古民家を改修した宿泊施設
旅行者が駅でチェックインする様子(いずれもJR東日本八王子支社提供)
旅行者が駅でチェックインする様子(いずれもJR東日本八王子支社提供)

観光客の滞在延長狙う

 フロントは駅、客室は古民家、ツアーガイドは地元住民――。JR東日本は、青梅線沿線を丸ごと宿泊施設に見立てた誘客事業を2023年にスタートするのを目指し、来年から準備を本格化させる。日帰り客が目立ち、訪れる観光地も偏りがちな西多摩地域で、観光客の滞在時間を延ばし、訪問先を広域化させるのが狙い。JR東ではこうした事業は全国で初の試みという。(柳沼晃太朗)

 JR東は事業を進めるため、地域活性化を手がけるコンサルティング会社「さとゆめ」(千代田区)との共同出資で、新会社「沿線まるごと株式会社」を12月にも設立。無人駅で運用している青梅線の鳩ノ巣駅(奥多摩町)で来春、宿泊客のチェックインスペースや観光案内窓口を整備する。

 さらに、沿線の奥多摩町と青梅市にある空き家や古民家をおしゃれな客室として利用できるように改修し、23年からの開業を目指す。順次改修を進め、26年までに最大8軒での宿泊事業を展開していく計画だ。

 両社は今年2~4月、奥多摩町などの宿泊先で地元産の食材を生かした料理を提供したり、地元住民らがガイド役となって穴場の観光地を巡ったりするツアー商品を実験的に販売。1泊2食付きで、1人2万9700円の料金設定ながら、完売する盛況ぶりだったという。

 JR東が今回の事業に乗り出す背景には、コロナ禍であっても少人数で近場の旅を楽しむ「マイクロツーリズム」の根強い人気がある。

 奥多摩観光協会によると、バーベキューや登山を楽しむ人が都心から訪れ、町内への客足は例年並みに回復しているという。奥多摩駅の今年10月の利用者数(定期券を除く、自動改札利用)は前年同月比で24%増加するなど、電車で訪れる人も増えている。

 ただ、都心からも気軽に訪れられる反面、日帰り客が多くなるため、地元への経済効果は限定的になりがちだ。既存の宿泊施設が奥多摩駅周辺に集中しているという課題もある。

 今回の事業では、奥多摩駅から2駅手前の鳩ノ巣駅を観光拠点化し、魅力的な宿泊施設も沿線各地に設けることで、観光客が訪れる地域の選択肢を広げることを狙っている。同協会の川久保義彦事務局長は「奥多摩湖など定番の観光地だけでなく、地域の歴史や文化も幅広く知ってもらう機会になってほしい」と期待する。

 JR東は青梅線での実績も踏まえ、同じような悩みを抱える全国の地方路線でも同様の事業を展開していきたい考えだ。内田英志・八王子支社長は「新たな滞在型観光のモデルを作り、地域が抱える様々な課題を解決したい」と意気込んでいる。

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2558011 0 ニュース 2021/11/30 05:00:00 2021/11/30 08:18:35 2021/11/30 08:18:35 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/11/20211129-OYTNI50056-T.jpg?type=thumbnail

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