漫画家目指す若者集う

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多摩トキワソウ団地が入る「りえんと多摩平」
多摩トキワソウ団地が入る「りえんと多摩平」
自室でタブレット端末に向かって絵を描く松さん
自室でタブレット端末に向かって絵を描く松さん

日野 多摩トキワソウ団地 交流型シェアハウス

 手塚治虫や藤子不二雄ら、そうそうたる漫画家を輩出した「トキワ荘」の現代版が、日野市の団地の中に誕生して半年が経過した。「多摩トキワソウ団地」でプロの漫画家を目指す若者たちは、日々創作活動に明け暮れ、中にはデビューが決まった人も。運営するNPO法人は「ここから夢をかなえて漫画家として羽ばたいてほしい」と話している。(水戸部絵美)

毎日がワクワク

 「雑誌に連載を描いて、25歳までに大成したい」。多摩トキワソウ団地に入居する松おうきさん(21)は、自身の夢をそう語る。広島県出身の松さんは高校卒業後、地元の会社に一度は就職したものの、漫画家を目指して2019年4月に上京。今年6月からは多摩トキワソウ団地で腕を磨いている。

 広さ約10平方メートルの部屋には、絵を描くためのタブレット端末やベッドが置かれ、壁にはこれまでに描いた少年漫画が何枚も貼られている。朝から晩まで、絵を描いたり、構成を考えたり、解剖の本を読んで筋肉の動きを研究したりするなど、漫画漬けの生活を送る。松さんにはまだ、デビューにつながるような大きな受賞経験はない。それでも、「迫力のある絵を描けるように修業中。毎日がワクワクしている」と前向きだ。

支え合い刺激し合い

 多摩トキワソウ団地は、都市再生機構(UR都市機構)の団地「りえんと多摩平」の中にある。2006年から漫画家を目指す若者を支援する「トキワ荘プロジェクト」を展開するNPO法人「ニューベリー」(港区)が今年6月にオープンさせた。同プロジェクトではこれまでに計577人の入居者のうち、125人がプロデビューを果たしたという。

 多摩トキワソウ団地では現在、男女38人が共同生活を送り、デビューが決まった入居者もいる。入居者が自由に集まるキッチンやラウンジでは、日夜同じ境遇にいる者同士が自身の悩みや夢について語り合う。有志で集まっては、即興で漫画を描いて競い合う姿も日常の一コマだ。

 最近、インターネット上での連載が決まった春吉ほだかさん(24)は「同じ志の仲間に囲まれているので孤独は感じない」という。同NPOなどが実施した先月のコンペで、初めて入賞を果たした、まほらいとさん(34)も「みんな漫画に一生懸命で、自分も頑張ろうという気持ちになる」と充実した様子で話した。

街あげて応援

 そんな漫画家の卵たちを応援する地域のイベントも開かれている。団地近くの「イオンモール多摩平の森」では、入居者の作品展示会「多摩平の地に住む、未来の漫画家にエールを送ろう!」が19日まで開催中だ。

 会場には「皆さんの夢を応援しています」「がんばれ」などと書かれた入居者へのメッセージがびっしり。長男(4)と立ち寄った日野市の主婦(38)は「漫画家になるのは大変だと思うが、ここからいい作品が生み出され、街を漫画で盛り上げてくれたら」と話していた。

 同NPOは、漫画制作の技術を学べる講座を定期的に開くなど、入居者のサポートにも力を入れる。担当の菊池蓉子さんは「同じ夢を持った仲間で 切磋琢磨せっさたくま しながら成長していってもらいたい」と話している。

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2606852 0 ニュース 2021/12/18 05:00:00 2021/12/18 10:07:44 2021/12/18 10:07:44 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/12/20211217-OYTNI50060-T.jpg?type=thumbnail

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