国立市民 オペラに燃ゆ

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公演に向け、マスク姿で歌唱の稽古に臨む出演者の市民ら(9日、国立市で)
公演に向け、マスク姿で歌唱の稽古に臨む出演者の市民ら(9日、国立市で)

多和田葉子さん書き下ろし 今月30日、来月2、3日公演

 国立市ゆかりの芥川賞作家、多和田葉子さん書き下ろしのオペラ「あの町は今日もお祭り」が、今月30日、5月2、3日の全3回の日程で、同市のくにたち市民芸術小ホールで上演される。地域の子どもや高齢者が中心となって歌唱や演技を披露する「市民参加型」の舞台。本番を目前に、出演者は真剣な様子で稽古に励んでいる。(柳沼晃太朗)

ホルンの音色に誘われて…「なつの鹿寄せ」始まる

 同ホールでは、2016年から多和田さん本人を招いた講演会や朗読劇など、市民が参加するイベントを定期的に開催。「あの町は今日もお祭り」は、公演に向けて多和田さんが用意した、同市などが舞台のオリジナル作品だ。お祭りの夜、不思議な力を持つ金魚と出会った主人公が、時空を超えた神秘的な体験をする――というあらすじになっている。

 公演には、オペラ歌手や俳優、打楽器やフルートの演奏家らプロも出演する。ただ、舞台の中心は、小学生から80歳代の約40人の国立市民ら。書類審査や面接に加え、歌唱や演技の実演などの審査も経て選ばれた人たちが舞台に立つ。

 劇団などで活動歴がある人もいるが、歌も演技も未経験の出演者が多い。出演者は技術面だけでなく、国立への思い入れや作品への共感度といった点も重視して選考されたという。演出は、多和田さんをはじめ、海外作家の作品の上演を数多く手がけてきた演出家の川口智子さん(39)が担当している。

 稽古は昨年11月から始まり、プロの指導者が週末の朝から晩まで歌唱での声の出し方や声の響かせ方を一から指導にあたった。本番まで1か月を切った今月9日の稽古では、魚の動きを演技で表現する場面について、共演するダンサーが「魚の目は正面を向いていないよ」などと声をかけ、視線や手足の動かし方を細かく教えていた。

 出演する市民の一人、大浦順子さん(73)は「最初200ページ近くの楽譜を読んだ時は不安だった。でも、プロの方々が丁寧に教えてくれているので、本番では、最後までしっかりと自分を出し切りたい」と意欲を燃やす。

 道具の準備や照明の設営などを担う制作陣にも近隣の大学生らが参加しているのも特徴だ。川口さんは「市民やほかの出演者が各自の持ち味を生かし、国立ならではのオペラを見せたい」と話している。

 開演時間は、今月30日と5月3日が午後4時、同2日は午後6時半から。チケットは全席指定で一般4000円、学生2000円(未就学児入場不可)。各日ともチケットは残りわずかだという。会場のホールやJR国立駅前の情報発信施設「旧国立駅舎」で購入することができる(売り切れ次第終了)。問い合わせは、同ホール(042・574・1515)。

 多和田葉子 1960年生まれ。国立市の小中学校を経て、立川高、早稲田大文学部を卒業。93年に「犬婿入り」で芥川賞を受賞し、現在はドイツに在住している。

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2920046 0 ニュース 2022/04/14 05:00:00 2022/04/14 22:18:41 2022/04/14 22:18:41 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/04/20220413-OYTNI50048-T.jpg?type=thumbnail

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