大工の逸品「墨壺」堂々

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お気に入りの墨壺「月と千鳥」を手にする森上さん
お気に入りの墨壺「月と千鳥」を手にする森上さん

 

八王子・森上さん30点出展へ

大工道具の一種で、木材に直線を引くために用いられてきた「 墨壺すみつぼ 」30点が24日、八王子市小門町の 産千代うぶちよ 稲荷神社で開かれる「長安祭」で展示される。同市の宮大工、森上秀男さん(72)が長年集めた江戸期から近代までのコレクションを出展する。森上さんは「昔の職人の心意気を感じてもらえれば」と話している。(小沢勝)

 墨壺は、糸車から引き出した糸に墨を含ませ、木材に沿わせてピンと張り、弾くことで直線を引く。飛鳥時代から使用されていたが、現在ではレーザーを使って直線を示すものなどが使われるようになり、建築現場では姿を消しつつある。

 森上さんは同市千人町で工務店を営み、普段は一般住宅の建築を手がける。その傍ら、多摩地域を中心に神社、寺の修復・保全、古民家再生にも取り組み、伝統的な建築技法の研究と資料の収集にも力を入れている。

 中でも充実しているのが、10年以上前から始めた墨壺の収集だ。「昔の大工は自作のものを使っていた。独自の装飾を凝らしているところがおもしろい」という。お気に入りは九州地方の職人が使っていた「月と千鳥」。糸車を山の端から顔を出した満月に見立て、本体に象眼で千鳥の群れをあしらっている。5年前に古物商から購入した。

 他にも浮き彫りの唐獅子を赤漆で仕上げたものや、見事な般若面をシンボルにしたものなど、気づけばコレクションは約100点に。職人が技能と遊び心のセンスを競った逸品ぞろいで、数千円から高価なものでは数十万円するものもあるという。

 24日はこの中から30点を選んで展示する。「長安祭」は、江戸時代の代官で八王子市街の礎を築いたとされ同神社を建立した大久保長安をしのぶ祭りだが、コロナ禍で、みこし渡御が中止になっていることから、何か参加者の興味を引くものを、と出品を要請された。

 当日は墨壺の使い方の実演なども考えているといい、森上さんは「墨壺を見たことがない若者や子どもたちにも一度見てもらいたい」と準備を進めている。

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