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50~80年代横田基地などで撮影
1950~80年代に米軍横田基地(福生市など)でアメリカ車などを撮影した写真集「横田カーニバル カーウォッチング」が出版された。撮影者で日野市の高木紀男さん(81)と、企画から出版までを手がけた立川印刷所(立川市)の鈴木武社長(58)は「当時の日本人の視線を集めた、アメリカ車の黄金時代を収めた」と話している。(斎藤茂郎)
高木さんは10代の頃から欧米の車に興味を持ち、横田基地や周辺の米軍ハウスを走る車の写真を撮っていた。横田基地の場合、基地内で車の撮影ができる数少ない機会が、一般開放される記念イベント(カーニバル)の時だった。開催されると足を運び、基地内の車に向かって夢中でシャッターを切った。高木さんは「基地のフェンスの向こうは別世界のアメリカ。あこがれの欧米の車がたくさんあった」と振り返る。
当時撮りためていたカーニバルでの写真をまとめたいと考え、知人の鈴木社長に相談。米軍基地と共に歩んだ昭和期の街の風景写真などをデジタル化して保存している鈴木社長は、「自分もかつての横田基地を知る世代。写真を見て、これは残しておくべきだという思いに駆られた」と話す。
黄金時代の305台掲載
完成した写真集には、高木さんが選んだ305台が掲載されている。車体全体が流線的なデザインをしたキャデラックや、航空機の垂直尾翼のような後部の飾り「テールフィン」が特徴のクライスラーなど、59~85年に撮影した車がずらりと並ぶ。
一枚一枚の写真について、「テールフィンがブレークした57年型。59年型まで同じスタイルであった」といった高木さんの解説が添えられている。また、車の背景には基地を訪れた人たちや米軍機、米軍ハウスなどが写っているものも多く、当時の基地の雰囲気も伝わってくる。
写真集の表紙は、高木さんのお気に入りの一枚である「ポンティアック グランプリ」(1965年7月撮影)のモノクロ写真をカラー化した写真が飾っている。高木さんも「ほぼこの通りの色合いだった」と太鼓判を押す。鈴木社長は「昔の基地を知る世代には当時を思い出してもらえて、若い人には今はもう見られないアメリカ車の姿を伝えられる内容に仕上がった」と自信を見せている。
写真集は、A4判176ページで3200円(税別)。立川市内の書店やインターネット通販「アマゾン」などで購入できる。問い合わせは立川印刷所(042・524・3268)。