分身ロボで遠隔学習

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県教委 「オリヒメ」新年度導入方針

 

病室・自宅から授業参加

 県教委は新年度から、病気療養中の児童生徒が病室や自宅にいながら学校の授業や行事に参加できる分身ロボット「オリヒメ」を本格導入する方針を固めた。県内で2年間行われた実証実験で、学校に復帰しやすいなどの効果が確認されたため、県内どこでも使えるようにする。県教委がオリヒメを闘病中の学習支援に活用するのは全国で初めてという。(田村勇雄)

 オリヒメは、高さ21・5センチ、重さ587グラムのロボット。人の上半身の形をしており、カメラやマイク、スピーカーを内蔵する。手を挙げる、うなずくといった動作をインターネット経由でタブレット端末から遠隔操作したり、オリヒメの周辺にいる人たちと会話したりできる。

 県教委によると、入院や自宅療養で通学できない子どもに対しては、従来は担当教諭が訪問教育を行い、学校行事などの写真や動画を見せるだけだった。保護者から「同世代の子どもと交流する機会がほしい」などと要望があり、オリヒメを子どもの分身として導入する検討を始めたという。

 県内では2017年度から、難病の子どもの支援団体「つなぐプロジェクト」がオリヒメを開発・提供する企業からレンタルした3台を県内3校に置き、実証実験を行った。費用は日本財団が助成。18年度は5台に増やした。その結果、現場の教師らから「社会性を養える」「退院後に学級に復帰しやすい」などと前向きな評価が寄せられた。

 つなぐプロジェクトの今川由紀子代表(43)は「オリヒメを使った子どもは、早く療養生活を終えて友だちに会いたいと、治療に前向きになった。教室にいる同級生たちにも、相手を思いやる気持ちが芽生えた」と効果を話す。

 実証実験とは別に、県東部のある小学校でも、県外の病院に入院するため昨年11月から学校を休んでいた児童が、今年1月の始業式からオリヒメで授業に参加した。朝の会で担当教諭や同級生との会話を楽しみ、名前を呼ばれると、「はい。元気です」と返事したという。下旬に学校に復帰した時の様子を、校長は「学校を長期間、休んでいた子どもと思えないほど、すぐにクラスに溶け込めた」と語る。

 県は19年度一般会計当初予算案に664万円を計上し、拠点となる県立の鳥取養護学校(鳥取市)や皆生養護学校(米子市)など3校に計8台を正式に配備する方向だ。ほかの学校や、自宅療養中の子どもには拠点校から貸し出す。県教委特別支援教育課の野口明紀指導主事は「分身であっても集団の中で一緒に成長できる。同級生の言葉を聞くだけでも、学習意欲や参加意識を高めることにつながる」とみている。

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419903 0 ニュース 2019/02/03 05:00:00 2019/02/03 05:00:00 2019/02/03 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190202-OYTNI50028-T.jpg?type=thumbnail

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