県無形文化財 山下さん

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「さらに技術を磨き、自分にしかできない作品を作りたい」と話す山下さん(鳥取市青谷町河原で)
「さらに技術を磨き、自分にしかできない作品を作りたい」と話す山下さん(鳥取市青谷町河原で)
「木造不動明王坐像」(県教委提供)
「木造不動明王坐像」(県教委提供)

 

県教委に答申 「紙布」「染織」の技術評価

 

県保護文化財に5件

 県文化財保護審議会は、鳥取市青谷町河原の染織家山下健さん(64)を県無形文化財保持者に指定するよう県教委に答申した。和紙の糸を使って織る「紙布しふ」と「染織」の技術が優れていると評価され、1人で二つの分野について保持者になるのは県内初。ほかに大山寺(大山町)の「木造不動明王坐像ざぞう」など5件が県保護文化財に、「智頭の林業関係資料」が県有形民俗文化財に答申された。(河合修平)

 「素材の風合いを生かし、自分にしかできない配色の作品を心がけてきた。光栄なこと」。答申を受け、山下さんは素直に喜ぶ。1973年に青谷町の製紙会社に入社し、「民藝みんげい運動」を提唱した思想家柳宗悦氏のおいで染織家の柳悦孝、悦博両氏に師事。紙布と染織の技術を学んだ。77年に独立後も技を磨き続けてきた。

 染織の技術では、草木を煮詰めて作った染料などで自ら糸を染める。伝統的なかすり織りをベースにしながら、1枚の布に明るい色と暗い色を配したり、縦横のしま模様や細密な幾何学模様を表現したりする多様なデザインが特徴だ。紙布は、地元の因州和紙を細くって作った紙糸を使用。繊細な風合いの布を仕上げる高い技術が評価された。

 山下さんは「1センチ以下の小さな柄のずれにも妥協せず、納得がいくまで制作を続けてきたからこそ上達できたと思う。さらに技術を向上させたい」と話した。

 県保護文化財に答申された大山寺の「木造不動明王坐像」は、高さ1・27メートルの木像。内部に鎌倉時代にあたる「弘安八年(1285年)」の銘があり、この時期かそれ以前に制作されたとみられる。不動明王の迫力ある表情と上半身の隆起した筋肉など人間的な生々しい表現が特徴。古くから修験の山として知られていた大山で信仰の対象になっていたと推測され、「大山周辺の歴史や信仰を考える上で重要」と評価された。

 県有形民俗文化財に答申された「智頭の林業関係資料」は、林業が盛んな智頭町で、伐採する木に墨で印をつけるために用いた「コクイン」、枝打ちナタ、木材の搬出などに使った機関車とトロッコなど林業関連用具計213点。答申では、「智頭町の近現代の林業の変遷と作業工程を体系的に示す」とされた。

 ほかに県保護文化財に答申されたのは、県立博物館所蔵の「宮本家文書もんじょ」と、いずれも大安興寺所蔵の「絹本けんぽん着色 五大明王像」「絹本着色 愛染あいぜん明王像」「絹本着色 三宝荒神さんぽうこうじん像」。

 すべて指定されれば、県保護文化財は155件、県無形文化財は10件、県有形民俗文化財は6件となる。

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433176 0 ニュース 2019/02/07 05:00:00 2019/02/07 05:00:00 2019/02/07 05:00:00 「さらに技術を磨き自分にしかできない作品を作りたい」と話す山下さん(鳥取市青谷町河原で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190206-OYTNI50022-T.jpg?type=thumbnail

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