女子群像 表情あった!?

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(上)出土した板絵の複製品(上)と調査を基に作成された復元品(鳥取県埋蔵文化財センター提供)(下)女子群像が描かれた板絵の一部(赤外線写真)=奈良文化財研究所撮影、鳥取県埋蔵文化財センター提供
(上)出土した板絵の複製品(上)と調査を基に作成された復元品(鳥取県埋蔵文化財センター提供)(下)女子群像が描かれた板絵の一部(赤外線写真)=奈良文化財研究所撮影、鳥取県埋蔵文化財センター提供

青谷横木遺跡 「鼻」描いた墨跡

奈文研調査 有力者副葬品の可能性

 鳥取市青谷町の青谷横木遺跡から出土した古代の女子群像の板絵について、奈良文化財研究所(奈文研、奈良市)の調査で、女性1人の顔に墨で「鼻」が描かれ、表情があったとみられることが新たに分かった。これまでの調査では輪郭しか判明しておらず、壁画の下書きだとする見方もあったが、同様に女子群像を描いた奈良県明日香村の高松塚古墳壁画のように、有力者の墓の正式な「副葬品」だった可能性が高まった。(河合修平)

 板絵は2015年9月、古代山陰道の遺構沿いの飛鳥時代末期(7世紀末~8世紀初め)の地層から出土した。5点の板片で、復元すると全体では長さ70・5センチ、幅15・5センチ、厚さ0・6センチ。肉眼では描線はほとんど見えなかったが、赤外線撮影をした結果、宮廷衣装をまとった女性6人が一列に並んで歩く姿が墨で描かれていた。上半身が残っていた後ろの2人はまげを結い、最後尾の女性は法具の「払子ほっす」のようなものを持っている。

 古代女子群像は、中国や高句麗のものが多く残っており、国内で確認されたのは高松塚古墳に次いで2例目。鳥取県埋蔵文化財センターは「当時、大陸から伝わっていた葬送儀礼に関連する行列を描いた絵だ」とみる。

 奈文研は、センターの依頼で、アルコールを用いた保存処理や材質調査などを実施。17年度の調査では、組織細胞の大きさなどから板材は日本固有種の杉だと分かり、エックス線で顔料に含まれるはずの鉱物の有無を調べたところ、検出されなかったことから、色付けされていなかったことも確認していた。

 18年3月、研究所から板絵の返却を受けたセンター職員が、保存処理を施した板に、当初は確認できなかった墨の跡が見えることに気付き、改めて研究所に赤外線撮影を依頼。細かく分析し、後ろから2人目の女性の顔に墨で「く」の字形の鼻が描かれていることが判明した。目や口は確認できなかったが、前から3、4人目の女性は、つま先が反り返ったくつを履いていることも分かったという。

 板片の上部には穴を開けた痕跡があり、同センター企画研究担当の茶谷満係長は「表情があり、単なる下書きではない可能性が高い。有力者の墓室に副葬品として掛けたのでは。当時の鳥取に、大陸から伝わった葬送儀礼を踏襲する高い文化が根付いていたことがうかがえる」と分析。「調査を続け、当時の人々の暮らしや信仰、近畿地方とのつながりなどを知る手がかりを見つけたい」と語る。

 同センターは、出土した板絵の複製品と、女性たちの顔や失われた部分まで再現した復元品を作成。23日から県立博物館(鳥取市東町)で始まる企画展「発掘!因幡の遺跡展」で展示する。

440664 0 ニュース 2019/02/13 05:00:00 2019/02/13 05:00:00 2019/02/13 05:00:00 女子群像が描かれた板絵のレプリカ(上)と復元品(県埋蔵文化財センター提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190212-OYTNI50036-T.jpg?type=thumbnail

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