受験生「ダブルの不安」
完了しました

きょうから共通テスト
新方式へ変更 ■ コロナ再拡大
大学入試センター試験の後継となる「大学入学共通テスト」が16、17日に実施され、県内では鳥取大と公立鳥取環境大の計4試験場で2500人が挑む。英語のリスニングの配点増など、出題傾向の異なる新方式への変更と、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大が重なった。受験生や保護者らは不安を抱えつつ、静かに勝負の時を待っている。(妻鹿国和)
知識偏重からの脱却をうたい、1990年にセンター試験が始まって以来、31年ぶりの制度改正となる。思考力や判断力が求められる問題を重視し、50点だった英語のリスニングの配点は100点に増えた。
不安を膨らませる受験生に、新型コロナの感染の再拡大が追い打ちをかけた。今月7日には東京、埼玉など1都3県を対象に緊急事態宣言が発令され、13日には大阪や兵庫など7府県が追加された。
下見のため、15日に鳥取大の試験場(鳥取市)を訪れた鳥取市内の私立高3年の女子生徒(18)は「過去問もなく、コロナの怖さもあるというダブルの不安が募るけど、今まで準備していたことを出し尽くすことに集中したい」と決意を口にした。同行した母親(56)は「本人が一番不安だろう。せめて体に良い料理などで健康面を気遣ってやりたい」と話していた。
人数は比較的少ないものの、県内でも昨年12月以降、新型コロナの感染者数の増加ペースが増している。そこで、会場を提供する大学側は、感染防止策に神経をとがらせる。
各試験場では15日、担当職員が机や椅子をアルコールで消毒し、受験番号票を貼り付けていった。また、学生らが感染して共通テストの会場として使えなくなるのを避けようと、冬休みが明けてからは、実習などを除き、授業をオンラインに切り替えている。今回の共通テストでは、受験生以外の構内への出入りを禁じるなど、対策を徹底する。
移動中の列車内での「3密」を防ぐため、鳥取大と県教委はJR西日本に臨時列車の運行を要請。2日間とも、午前8時26分に鳥取駅を出発する宝木駅止まりの臨時列車が運行される。
今年は感染リスクを抑えようと、保護者によるマイカーでの送迎が増える可能性も指摘されている。大学周辺は例年、送迎の車で交通渋滞が起きている。鳥取大は「試験に間に合わない可能性もあるので、公共交通機関を利用して来場してほしい」としている。