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伝統建造物群 荒廃進む

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川沿いに建物が並ぶ板井原集落(智頭町で)
川沿いに建物が並ぶ板井原集落(智頭町で)

智頭・板井原

町「保存 最後の機会かも」

 昭和30年代の農村の姿がそのまま残る貴重な地域として、2004年に県の伝統的建造物群保存地区(伝建地区)に選ばれた智頭町の板井原集落で、土壁が剥がれ落ちるなど家屋の荒廃が進んでいる。建物の所有者と協力し、維持する努力を続ける町は「今が保存して残せる最後の機会かもしれない」として、危機感を持って保存と活用に取り組んでいる。(脇孝之)

 板井原集落は町中心部から約5キロ離れた山間部に位置する。遅くとも室町時代には存在したことが確認されており、江戸中期には約30軒が麻作りや炭焼きなどで暮らしていた。明治初めから蚕を飼う家が増え、炭焼きも盛んに行われた。しかし、農業と林業では生計を立てるのが次第に難しくなり、1967年に板井原トンネルが開通して町中心部と行き来しやすくなったのを機に、二十数軒あった農家の多くは他の土地に移り住んだ。

 集落は板井原川が流れる小さな谷間に広がり、2000年頃には母屋18、土蔵38、馬屋5、養蚕場3棟などがあった。ほとんどが明治~大正時代の建物で、昭和40年代から離村が進んだためにアルミサッシなどの現代的な部材が使われず、鉄板屋根と土壁、木製窓のまま残る。集落の中央を通る道路は幅が約2メートルしかなく、車は中に入って来られず、かつての農村集落のたたずまいを今に伝える。

 町教育委員会は長岡造形大の現地調査を踏まえ、2001年に町の伝建地区として保存することを決め、県教委も04年に県伝建地区に指定した。その後は、建物などを所有する住民でつくる「板井原集落保存協議会」(福原芳幸会長)が町と協議しながら、維持に取り組んでいる。町と県から改修費の8割の補助を受け、屋根を中心に年に1、2軒のペースで保全工事を行っている。

 しかし、長年の風雨や降雪の影響で、屋根がめくれかけた家や壁の土が剥がれ落ちた家が目立つ。数年前には大雪のため母屋1棟が倒壊した。現在、集落に暮らすのは、移住した建築業の男性や手織物を手掛ける女性ら3人のみだが、古民家カフェ「和佳のどか」には冬を除いて月に約400人が訪れているという。

 福原会長は「板井原集落は古民家を移築した村ではなく、昔からの本物の建物が残り、今後価値が上がっていくと思う。住んでいない家を修理するのは経済的になかなか厳しいが、少しずつでも保存に取り組みたい」と話している。

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1782397 0 ニュース 2021/01/20 05:00:00 2021/01/20 05:00:00 2021/01/20 05:00:00 板井原川の南側に建物が並ぶ智頭町板井原集落(2020年11月撮影で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210119-OYTNI50002-T.jpg?type=thumbnail

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