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就労訓練 VRでリアル

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仮想現実で就労トレーニングをする利用者たち(左、北栄町で)

北栄「あいおい」障害者の社会参加支援

 就職を希望する障害者を支援する北栄町江北の就労移行支援事業所が、仮想現実(VR)を活用した疑似体験による就労訓練を始めた。新型コロナウイルスの影響で社会とのつながりが希薄になりつつあるが、臨場感のある映像でリアルに対人関係を学べ、利用者からも好評だ。(門前光)

 「今日からお世話になります」――。VR訓練を導入した一般社団法人「あいおい」の運営する「多機能型事業所 あいおい」で21日、障害のある利用者5人がゴーグルを装着して、目の前に映し出されたスーツ姿の男女に自己紹介した。

 会社に就職して初出勤した際をイメージした映像だ。気さくな上司や同僚らが登場。自己紹介中には相手から視線を浴びたが、ものおじして目をそらすことなくコミュニケーションを取る練習をした。

 新型コロナの影響で万が一、事業所の利用が停止した場合でも自宅で訓練できることから「社会とのつながりを失わないように」と昨年10月に取り入れた。映像は360度が見渡せて、その場にいる感じがする。

 それまでは職員と模擬演習をしてきたが、よく知っている職員とでは緊張感に欠けるところがあった。利用する男性(27)は「実際に見知らぬ人に囲まれているようで緊張する。見慣れた人と練習するよりも効果はあるはず」と話す。

 VR訓練では、利用者がきちんと相手の目を見ているかを分析できる。職員は目線を記録した映像を見返して「話をする時は、周囲を見渡しながらしましょう」などと指導する。

 VRには小売店の仕事を想定した映像もある。売り場の棚に商品を並べる一方、レジに客が並んだのに気づいてレジ打ちを手伝えるかを問うロールプレイング(役割演技)で、臨機応変に対応する能力を磨ける。

 あいおいの小谷紀央代表理事(47)は導入のきっかけを「利用者は社会との関わりが苦手な人が多い。新型コロナで社会といっそう疎遠になるのは避けなければと思った」と振り返った。そして「これまで以上に細やかな支援を提供して、一人でも多くの人が社会参加できるように支えていきたい」と話している。

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