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防災用具を入れた倉庫で避難用のリヤカーを手にする西本さん(若桜町で)
防災用具を入れた倉庫で避難用のリヤカーを手にする西本さん(若桜町で)
支え愛マップについて協議する大野地区の人たち(2016年11月)=大野自治会提供
支え愛マップについて協議する大野地区の人たち(2016年11月)=大野自治会提供

若桜・大野地区

避難所や役割 防災計画自ら設定

 自分たちの身は自分たちで守ろうと、若桜町大野地区が、災害発生時に情報の伝達や食料の配布を担当する人などを定めた「地区防災計画」を作り、大雨や地震などに備えている。大規模災害の発生直後は消防、自衛隊の救助や行政の援助が間に合わず、近所の人たちが助け合う「共助」が大事とされる。それぞれの集落が置かれた条件は違うため、国は地区防災計画制度を設けて普及を進めており、意欲的な取り組みとして注目される。(脇孝之)

 大野地区には約25世帯、約60人が住み、65歳以上が約6割を占める。地区防災計画は、2012年に一人暮らしのお年寄りなどを支援する「支え愛マップ」を作ったのがきっかけとなった。また、元NTT職員西本正敏さん(72)が自治会で「大野で災害が起きても死者を出さないようにしよう」と呼びかけ、翌13年から毎年1回、防災訓練を始めたのも大きな要因となった。

 災害に備えるため、マップ作りなど「支え愛」活動に対する町社会福祉協議会からの補助金で避難用の車いすとリヤカーを3台ずつ購入。14年度には宝くじの助成金を使って、大野公民館と寺前分館に発電機とエアコン2台、炊飯器、冷蔵庫などを買いそろえた。

 町からの要請を受けて、19年には住民全員による自主防災組織を結成し、災害発生時の役割分担などを定めた大野地区防災計画も作成。計画は同年11月、町地域防災計画の中に組み入れられることが決まった。

 大野地区防災計画では、避難場所として、25畳の広間があり、エアコン、冷蔵庫、炊飯器がそろった大野公民館と、町指定の避難所である町公民館池田分館を設定した。活動体制として▽情報連絡班(班長・自治会長)は、災害情報の収集と町などへの伝達▽要配慮者班(同・自警団長)は、自力で避難できない人らの避難と支援活動▽給食給水班(同・副自治会長)は、炊き出しなどの活動と備蓄食料の管理――などと定めた。備蓄の飲料水に加え、住民所有の井戸で飲料水を確保することも書かれている。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、避難所での「3密」を避けるため、昨年9月には地区内の民家3戸を分散避難所として使う覚書を自治会と3戸の世帯主が交わした。支え愛マップは2年に1度更新しており、西本さんは防災活動の中心人物として、20年度に県知事表彰を受けた。西本さんは「最初はなかなかみんなの理解が得られなかったが、最近は地区住民の防災意識が高まっているように感じる」と話している。

<地区防災計画>  東日本大震災では市町村の行政機能が一部失われ、住民自身の自助と、地域住民同士による共助が重要な役割を果たした。この教訓を踏まえ、2013年に災害対策基本法が改正され、翌14年には住民自らが各地区の特性に応じて立案する地区防災計画制度が創設された。できあがった計画は、市町村の地域防災計画に組み込むことができる。

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2324253 0 ニュース 2021/08/30 05:00:00 2021/08/30 05:00:00 2021/08/30 05:00:00 防災用具を入れた倉庫で避難用のリヤカーを手にする西本さん(若桜町で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210829-OYTNI50020-T.jpg?type=thumbnail

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