<中>連打快音 「脇役」おらず

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(上)7番根来と(下)8番東妻。計15打点を挙げた2人の活躍が、強力打線を作り上げた(和歌山市の紀三井寺球場で)
(上)7番根来と(下)8番東妻。計15打点を挙げた2人の活躍が、強力打線を作り上げた(和歌山市の紀三井寺球場で)
智弁和歌山―紀北工 5回智弁和歌山1死1塁、中越えの適時2塁打を放つ東妻(7月25日、和歌山市の紀三井寺球場で)
智弁和歌山―紀北工 5回智弁和歌山1死1塁、中越えの適時2塁打を放つ東妻(7月25日、和歌山市の紀三井寺球場で)

 夏の高校野球和歌山大会を4試合連続コールド勝利の猛打で勝ち抜いた智弁和歌山。満塁本塁打を放った冨田泰生(3年)、文元洸成(3年)らの豪快なバッティングが目立ったが、「60点」を積み上げた要因は、常に相手にプレッシャーを掛け続ける打線のつながりにあった。

    ○ ○

 「とにかくしぶとい打線だった」。準決勝で対戦した紀北工のエース楠航兵(3年)は試合後、こう語った。「主軸は強打者ばかりで慎重にならざるを得ないが、下位打線も簡単に空振りしてくれない」。138球を投じ、11点を失った。

 智弁和歌山は、3番林晃汰(3年)、4番文元、5番冨田、6番黒川史陽(2年)までがクリーンアップ。いずれも本塁打を狙えるスラッガーだ。しかし、和歌山大会の打点上位4人は、このメンバーではない。警戒され、四球のかさむ4人を確実にかえして計15打点を挙げた下位打線の7番根来塁(2年)、8番東妻純平(2年)が顔を出す。

 根来は身長1メートル70と小柄だが、長打5本を含む7安打で8打点。捕手の東妻も、8安打7打点。準決勝では、2人の連打だけでダメ押しの1点を挙げ、楠を苦しめた。監督の高嶋仁(72)も「よう打ってくれた」と目尻を下げる。

 根来は「自分は脇役」と謙遜しつつも、「いつも走者がたまって打順が来る。自分が打たないと点にならない」と役割を認識し、東妻も「8番なので、次打者は投手。自分が全ての走者をかえすつもりで打席に立っている」と力を込める。

○ ○

 切れ目のない“しぶとい”打線の秘訣は、選手間の情報共有にもある。

 試合前には映像で相手校を研究し、試合中も常に最新の情報を交換。「誘い球は低め、高めで待とう」「カーブが思ったより曲がるぞ」。回を重ねるごとに狙い球が絞れるようになり、相手投手を追いつめていく。

 準決勝の七回、代打に立った細川凌平(1年)は、6球目のスライダーを右翼席に運んだ。「ここまでの攻め方から、追い込んでからは変化球と分かっていた。曲がり方も聞いていたので強振できた」と振り返る。

 元々力のある打者たちが、緻密な連係で作り上げた重層的な打線。ライバル校のエースを次々と打ち崩し、連覇を果たした。

 ただ、名将・高嶋は、順調すぎる打線に小さくない不安を感じていた。(敬称略)

 ◇記者が選ぶ「この得点」

△3回戦・箕島戦 三回二死満塁
△3回戦・箕島戦 三回二死満塁

 和歌山大会最大のビッグイニングは、箕島戦三回の10得点。ただ、その半分の5点は、二死から奪ったものだ。安打や四球で粘って満塁とし、7番根来が走者一掃の適時二塁打を放った。「魔物がすむ」とたとえられる甲子園では、リードしていても攻撃の手を緩めてはいけない。2006年の準々決勝・帝京戦では、4点リードから九回表に8点を失った。「これでもか」と相手を打ちのめすダメ押し打に期待したい。

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35651 0 60点打線 智弁和歌山頂点へ 2018/08/05 05:00:00 2018/08/05 05:00:00 智弁和歌山―箕島 3回智弁和歌山2死満塁、3点適時打を放つ根来 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180805-OYTAI50006-T.jpg?type=thumbnail

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