<5>空海や密教 ネット発信

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外国人参拝客に人気のアプリ「高野山ナビ」
外国人参拝客に人気のアプリ「高野山ナビ」
江戸後期の山内地図を使ったアプリの開発が進む(高野町の高野山大で)
江戸後期の山内地図を使ったアプリの開発が進む(高野町の高野山大で)
ネット上の高野山アーカイブでは空海の著作などが公開されている
ネット上の高野山アーカイブでは空海の著作などが公開されている

 ◇アプリや公開資料 好評

 平成は、情報技術(IT)が人々の生活を大きく変えた時代だった。真言密教の聖地、高野山も変化とは無縁ではない。参拝客への配慮に加え、空海について伝えるために、ITを積極的に取り入れた。

 高野山真言宗・総本山金剛峯寺は高野町と協力して、2016年に観光アプリ「高野山ナビ」を作った。急増する外国人参拝客に対応するのが狙いだ。

 英語、中国語、フランス語、日本語で、高野山の見所や地図情報などを紹介。音声ガイドもあり、「分かりやすい」と好評だ。同時に山内での無料Wi―Fiサービスも始めている。

 国内の新たな参拝客を見据えたネット対応も行う。

 一般の人が仏様との縁を結ぶ儀式「結縁灌頂けちえんかんじょう」は、毎年春秋の2回、金堂で開かれる。だが、17年まで事前予約を受け付けておらず、「当日、券を買うために行列に並ぶ必要がある」「参加時間帯が選べない」といった声があがっていた。

 18年、音楽ライブなどのチケットをネット販売する「チケットぴあ」を初めて活用。東京別院での結縁灌頂も含めて事前予約が可能になり、好評だった。

 金剛峯寺の担当者は「参加者の人数の目安もつくようになり、高野山にとってのメリットもあった」と話す。

 空海や密教について、ネットで広める動きもある。

 山内にある高野山大は16年度から国の補助金を受け、資料のデジタル化を始めた。同大学図書館には江戸時代以前の空海関連資料が約10万点ある。「大事にしまっているだけではもったいない」とスキャナーで読み取り、大学のホームページ上で「高野山アーカイブ」として公開している。

 資料に書かれた語句の検索もでき、担当する高野山大総合学術機構課長の木下浩良さん(58)は「世界各地からアクセスでき、研究の進展や、研究者同士の交流が期待できる。一般の人にも、お大師様がどんな言葉を使っていたか知ってほしい」と話す。

 木下さんらは、江戸後期の地図を、ワンタッチで現代のものと切り替えて比較できるアプリの開発も手がけている。

 江戸後期、山内には約650の寺院があり、現在(117寺)の6倍近く。GPS(全地球測位システム)により、現在地が江戸の地図にも表示される。「タッチ一つで江戸時代にワープできる感覚です」と木下さん。2~3月に一般公開し、英語と中国語にも対応する予定だ。

 いずれの取り組みも、空海の教えや密教を身近に感じてもらうのが目的という。

 様々な変化があった平成がもうすぐ終わる。

 1200年以上の歴史がある高野山はこの30年、外国人の増加やITの進歩などに柔軟に対応してきた。その結果、一般の人が空海に触れる機会は増えた。

 新たな時代が春にスタートする。予想もつかない変化が起きるかもしれない。だが、これからも高野山の中に、我々の指針となるような教えは多くあるはずだ。

 (おわり。この連載は葉久裕也が担当しました)

 ◇携帯やパソコン普及

 平成の30年は、IT革命の時代だった。

 平成元年(1989年)に米モトローラが、その2年後にNTTが超小型携帯電話を発売。手軽に持ち歩ける携帯電話の先駆けとなった。

 平成7年(95年)には米マイクロソフト社が「ウィンドウズ95」日本語版を発売し、パソコンとインターネットが一気に家庭に普及した。

 平成20年(2008年)に、米アップル「iPhone(アイフォーン)」が国内で発売。いつでもどこでもネットにつながるスマートフォンの快適さは広く支持され、以後、パソコンを圧倒するまでになった。

 近年は膨大なデータを分析し、人のように学習する、AI(人工知能)も急速に発達している。

無断転載禁止
61226 0 高野山からみた平成 2019/01/06 05:00:00 2019/01/06 05:00:00 高野山の見所を紹介するアプリ「高野山ナビ」 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190105-OYTAI50019-T.jpg?type=thumbnail

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