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飛躍! 紀州の梅 海外輸出

 国内一の梅の産地・和歌山。近年は梅酒人気などで海外向けの輸出量が急増している。国内でも、果実の成分の健康効果が注目され、梅を使った新商品の開発や販売も進む。和歌山が誇る「Ume」の認知度と人気は、国内外で着実に高まっている。(坂戸奎太)

香港でブーム

大きく実った南高梅を手に取る山本さん(左)ら(6月、上富田町で)
大きく実った南高梅を手に取る山本さん(左)ら(6月、上富田町で)
香港の料理教室「ドルチェドルチェ」で梅酒作りに挑戦する人たち(2019年)=ドルチェドルチェ提供
香港の料理教室「ドルチェドルチェ」で梅酒作りに挑戦する人たち(2019年)=ドルチェドルチェ提供
2019年11月、タイのスーパーで梅の飲料や青梅を販売するJA職員(右から2人目)=JA紀南提供
2019年11月、タイのスーパーで梅の飲料や青梅を販売するJA職員(右から2人目)=JA紀南提供

 「和歌山のUmeは、世界のどこのUmeと比べてもおいしい。Bigなものが香港人は大好きです」。香港で料理教室「ドルチェドルチェ」を営むエスター・アウさんは声を弾ませる。

 アウさんは、世界の様々な食材を使ったアルコール飲料作りを試す中で2010年頃に梅に出会い、他の飲料にない梅酒のほのかな甘さにひかれた。最初は中国などの梅を使っていたが、13年頃に和歌山産の梅を知り、手に入れた。肉厚で大きく、「最高の梅に出会った」。その後、本格的に輸入を開始。現在、年間約1トン使う梅は全て和歌山産だ。

 教室では、梅酒の作り方のほか、梅風味のおかず作りも教えている。アウさんは「香港では自宅で青梅を漬ける文化が少しずつ広がっている。ブームに近いものが起こっている」と話す。

5年で輸出20倍

 和歌山産の梅の輸出を手がけているのは、JA紀南(田辺市)だ。ほぼ国内にとどまっていた需要を世界に広げて農家の収入を上げ、若者の新規就農にもつなげようと、14年から輸出に本腰を入れ始めた。輸送時間やコストを考慮し、東南アジアにターゲットを絞った。

 ただ、梅は海外ではなじみの薄い食べ物だ。特に梅干しのような強い酸味は受け入れられにくい。「単に果実を輸出するだけでは、現地の人はうまく使えず、思うように売れないだろうと考えた」とJAの担当者は振り返る。

 そこでJAは15年から、現地の百貨店やスーパーに設置した梅の特設売り場などに職員や地元農家を派遣し、現地の人に梅酒などの作り方を教える取り組みを始めた。「酸味」ではなく、「甘さ」を前面に出して売り込む戦略だ。

 上富田町で梅を育てている農家、山本哲也さん(32)は16~18年の3回、香港とマレーシアの百貨店で梅を販売。「じっくりとこちらの説明を聞いてくれる人が多かった。特に梅酒への関心が高く、手応えを感じた」と話す。

 JAはこれまでに計約10回、職員と農家を現地に派遣。地元商社との商談会も開き、梅の輸入を働きかけた。こうした地道な取り組みが実を結び、14年は約1トンだった輸出量は年々増え、19年には約20トンとなった。

 今年は新型コロナウイルスの影響で、梅を運ぶ航空便が減ったことに加え、不作年にもあたり、輸出量は3割程度落ちる見込みだ。でも、JAの担当者は「梅の人気が海外で根付き始めている。コロナ禍が終われば輸出量はさらに増やせるはず」と自信を深めている。

     ◇

 旬のニュースをわかりやすく伝える「NEWニュー門@和歌山」の9月のテーマは、「飛躍! 紀州の梅」です。1週間、連続で掲載します。

<MEMO>

 2019年の全国の梅の生産量は、8万8100トン。うち、和歌山が5万7500トンで6割強を占め、群馬(4240トン)、三重(1600トン)、宮城(1370トン)と続く。海外向けは和歌山のほかに、群馬県高崎市が19年、冷凍梅約200キロを初めてシンガポールに輸出するなど、徐々に広がり始めている。

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1472385 0 New門@和歌山 2020/09/12 05:00:00 2021/02/19 20:31:44 2021/02/19 20:31:44 大きく実った南高梅を前に笑顔を見せる山本さん(左)ら(6月、上富田町で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200912-OYTAI50007-T.jpg?type=thumbnail

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