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鉄道の挑戦 期待集める観光列車

 車内の展望デッキに出ると、目の前に世界遺産・高野山(高野町)周辺の山々の雄大な景色が広がり、木や土の香りを含んだ風が吹き込む。

雄大な自然の景色が目の前に広がる「天空」の大きな車窓=南海電鉄提供
雄大な自然の景色が目の前に広がる「天空」の大きな車窓=南海電鉄提供

 2009年7月に運行を開始した南海電鉄高野線の観光列車「天空」は、橋本駅―極楽橋駅間の19.8キロ、標高差443メートルの急勾配の山々を縫うように走る。森林をイメージした緑色の車体の2両編成(計76席)で、展望デッキのほか、ゆったりとした座席や木目調の落ち着いた内装、眺望を楽しめる大きな車窓が特徴だ。

     ◇

 高野山では、世界遺産に登録された04年以降、訪日外国人を中心に観光客が急増。天空は、1980年代をピークに利用客数が半減していた高野山線に、こうした観光客を呼び込もうと導入された。「自然が楽しめる」「ゆったりと旅ができる」などと好評で、年間約2万8000人が利用する人気の観光列車となった。

急勾配の山々を縫うように走る「天空」=南海電鉄提供
急勾配の山々を縫うように走る「天空」=南海電鉄提供

 しかし、コロナ禍で一転。外国人観光客はほとんど姿を消し、昨年4~7月は、感染対策のため運行自体を休止に。苦しい運営を迫られている。

 それでも、運行再開後は沿線の桜のライトアップに合わせた夜間の臨時運転や、車内で高野山の僧侶による法話を聞くイベントなど、観光客誘致のため工夫を凝らす。同電鉄広報部は「コロナ禍で多方面に影響が出ているが、地元と協力して足元を固めていきたい」と力を込める。

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 こうした観光列車は、新たな利用客開拓の一手として、九州7県を周遊するJR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」や、大阪と奈良を結ぶ近畿日本鉄道の観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」など全国各地の鉄道で導入されている。

 昨秋に運行を開始したJR西日本の長距離観光列車「WEST EXPRESS 銀河」もその一つ。今年6月に山陰を運行した際には、コロナ禍にもかかわらず、定員に対して応募が約5倍と絶大な人気を誇る。

 7~12月には、京都駅―新宮駅間を週に2往復計84本が運行する予定で、乗車券は宿泊や食事の観光メニューとセットで販売。沿線地域への経済効果も期待でき、近隣市町村長と誘致を進めてきた新宮市の田岡実千年市長は「コロナ禍で落ち込む地元の観光事業者をはじめ、地域全体に良い影響を与える」と喜ぶ。

 JR西日本和歌山支社の藤原鋭・総務企画課長は「コロナ禍で経営状況は非常に厳しいが、ここで踏ん張りたい」。感染防止とのバランスを取りながら、いかに人を呼び込むのか――。鉄道各社が知恵を絞る。(平野真由)

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2071404 0 New門@和歌山 2021/05/23 05:00:00 2021/05/23 05:00:00 2021/05/23 05:00:00 雄大な景色が楽しめると評判の大きな車窓(南海電鉄提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210522-OYTAI50008-T.jpg?type=thumbnail

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