読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

困窮世帯の食支える

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

フードバンク和歌山理事長

 古賀 敬教さん 38

 消費期限が近い、規格に合わないなどの理由で廃棄処分にされる食料品を企業や個人から寄贈してもらい、生活困窮者に配る民間活動「フードバンク」。その県内初の組織として2015年7月に設立されたNPO法人「フードバンク和歌山」(御坊市)は、活動開始から6年を迎えた。「コロナ禍で困窮者は確実に増えていると実感する」という理事長の古賀敬教さん(38)に思いを聞いた。(森本寿夫)

御坊でこども食堂 学習支援も

 ――活動のきっかけは。

 就職で愛媛県宇和島市から日高町に移住。結婚して子どもにも恵まれ、親子で一緒に空手を習うようになりました。その延長で8年前、生涯スポーツの振興と世代間交流の場として、「日高総合型クラブ」を結成しました。子どもからお年寄りまで、スポーツを通して地域のつながりが深まればいいなあとずっと思っていたのです。

 でも、ここで「子どもの貧困」に気づかされました。学校に毎日同じ服で登校してきたり、髪の毛が洗えていなかったり。クラブの子どもたちと話す中で、学校にそんな子たちがいることを知りました。クラブの運営委員との会話でも、給食のない学校で弁当を持ってこられず、昼休みに校庭で遊んでいる子がいると聞きました。

 2児を育てる父親として、ショックを受けました。クラブを運営するほかのメンバーらも同じ気持ちでした。自分たちにできることはないかと調べるうちに他府県にフードバンクがあると知り、取り組もうと決めたのです。

 ――試行錯誤の連続だったとか。

 店や事業所に足を運んで寄贈を求めても、なかなか応じてはもらえない。実績がないので、無理もありません。そこで知り合いの農家にお願いして、傷があって市場には出せないが、味は変わらないミカンなどをもらい受け、県内の児童養護施設に配布しました。初めは農家1軒でしたが、少しずつ協力してくれる農家が増え、今は20軒。多くの企業や団体、個人からもいただいています。

 食料品は、困窮世帯を支援する県内の団体や社会福祉協議会を通して、約600世帯に届けられているようです。19年度に12・5トンだった寄贈は、20年度は倍の約25トンに。コロナ禍で食料を求める世帯が増える中、本当にありがたい。

 ――設立の翌年には、自ら「御坊こども食堂」を御坊市内に開いた。

 フードバンクでは県内のこども食堂にも食料品を配っていますが、地元の御坊・日高地域にこども食堂はなかった。「地元にも子どもたちの居場所を作りたい」と考え、毎週土曜の昼食と、毎月第2、4日曜の夕方に開いています。現在は多くて40人ですが、コロナ前は、多いときで100人が来てくれていました。

 17年からは、貧困と密接に関わる学力を伸ばすため、学習支援に取り組み、こども食堂の前後に現役とOBの教員ら7人が指導にあたっています。

 ――運営の現状は。

 多くの食料品の寄贈をいただいているのですが、困窮世帯は確実に増えていて、まだまだ行きわたっていないのが実態です。活動費は助成金と会費や寄付でまかなっていますが、十分とは言えません。私たちの活動を多くの人に知ってもらい、支援の輪が広がることが願いです。

       ◇

  こが・たかのり  空手三段で、県空手道連盟理事を務める。モットーは「いつも笑顔でいること」。食料品の寄贈や御坊こども食堂の問い合わせは、フードバンク和歌山(080・3792・0000)へ。ホームページ(http://foodbank-wakayama.com/)もある。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2251650 0 わかやま 人模様 2021/08/01 05:00:00 2021/08/01 16:29:42 2021/08/01 16:29:42 NPO法人「フードバンク和歌山」理事長古賀敬教さん 38 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210731-OYTAI50003-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)