<きのくに音楽祭>「和歌の浦」劇で魅力発信

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坪内逍遥戯曲基に創作 6日公演

和歌の浦の魅力を語る西本さん(和歌山市で)
和歌の浦の魅力を語る西本さん(和歌山市で)

 近代文学の巨匠・坪内逍遥(1859~1935年)の舞踊戯曲「和歌の浦」を基に創作された音楽劇が6日、劇の舞台でもある和歌山市の名勝・和歌の浦で公演される。「きのくに音楽祭」のプログラムの一つで、企画した同市出身の武蔵野大非常勤講師、西本直子さん(60)は、「劇を通して和歌の浦の魅力を発信したい」と意気込んでいる。(大田魁人)

 「和歌の浦」は、逍遥が明治末期につくったとされ、美しい景色に魅了された鶴の夫婦が、和歌の浦に天から舞い降り、飛び立つまでが表現されている。3部構成で、第1幕では雅楽などの邦楽、第2、3幕ではホルンなどによる洋楽も演奏される。浜辺で漁師や子どもたちが踊るシーンでは、日本舞踊やバレエが入り交じる。

 作品の制作当時は洋楽やバレエの演者が少なく、実演が困難だったとみられ、その後も、京都・中座(21年)、東京・歌舞伎座(27年)、宝塚東宝まつり(83年)での公演のほかは、ほとんど演じられてこなかったという。

 一方、建築を研究している西本さんが「和歌の浦」の存在を知ったのは、数年前。西本さんは、夏目漱石ら多くの文化人に親しまれた和歌の浦の旅館「あしべ屋妹背別荘」の保存活動に取り組んでおり、PR策を探す中で、作品に出会った。

 西本さんは、「海外文化に親しみが深くなった今なら、楽しく演じることができるはず」と劇の再演を計画。手始めに、作品には描かれていない序幕をイメージしたオリジナルの音楽劇「若の浦に」を創作し、公演にこぎつけた。西本さんは、「再演に向けたスタートにふさわしい、面白く変化に富んだ内容になった」と話す。

 音楽劇では、和歌山市出身の琴奏者、西陽子さんが、劇のためにつくった曲を演奏し、テレビなどで活躍するダンサー近藤良平さんが白い衣装をまとって鶴を演じる。琴の演奏のほか、ボリビアの民族楽器との共演もあり、穏やかな海の波の様子や手招きするカニの動き、降り立つ鶴を表現する。

 今後、「和歌の浦」の3幕について舞台化を目指す予定で、西本さんは、「現在もきれいな景色を有する、和歌の浦の魅力を地元の人たちに再確認してもらうきっかけにもしたい」と意気込んでいる。

 公演は、きのくに音楽祭のプログラム「近藤良平がやってきた!―聴こう、踊ろう、和歌の浦の音 白いパート」で午後3時から、和歌の浦アート・キューブで行われる。入場料は3000円。

美しい調べにうっとり 県出身音楽家ら公演

ホルマンの手がけた曲を奏でるチェロ奏者ら(和歌山市の県立図書館で)
ホルマンの手がけた曲を奏でるチェロ奏者ら(和歌山市の県立図書館で)

 和歌山市内各地で音楽イベントを楽しめる「きのくに音楽祭2019」が4日、始まった。6日までの3日間に県立図書館や名勝・和歌の浦などでミニライブやコンサートが開かれる。

 「音楽をもっと身近に感じてほしい」と県出身の音楽家らが初めて企画。和歌山城の天守閣前広場で行われたオープニングライブで、高橋巧二実行委員長は「2年かけて計画してきた。ぜひゆっくりと楽しんでほしい」とあいさつし、3人の演奏者がバイオリンや尺八、ピアノで「情熱大陸」など6曲を奏でた。和歌山市出身の作曲家・山路敦司さんが手がけた音楽祭のテーマ曲「雨上がりの朝に」も演奏された。

 県立図書館メディア・アート・ホールでは、紀州徳川家第16代当主・徳川頼貞(1892~1954年)が収集した音楽関連コレクション「南葵なんき音楽文庫」に着目したコンサートを開催。頼貞と交流があったオランダ出身のチェロ奏者、ジョゼフ・ホルマンの曲が披露され、集まった約160人が美しい調べに聴き入っていた。

 5日は県内の小学生や高校生がイベントを実施。最終日の6日には和歌の浦でダンスイベントが開かれる。

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830615 0 ニュース 2019/10/05 05:00:00 2019/10/05 05:00:00 2019/10/05 05:00:00 和歌浦の魅力を語る西本さん(和歌山市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/10/20191005-OYTNI50008-T.jpg?type=thumbnail

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