有田川 むか~しむかし

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

民話11編 地元住民が絵本

 有田川町の昔話や言い伝えを読みやすくまとめた絵本「有田地方の民話(有田川町編) ふる里の泉」(A4判22ページ)を、地元の住民グループが制作した。村人のために行動して鎌倉幕府に処刑され、死後に神様としてあがめられた農民や、地域に出没した大蛇を退治した鎌倉時代の高僧の話など11編を紹介している。グループは「有田川町に素晴らしい歴史や伝承があることを知ってほしい」としている。(道津保)

子どもへ「伝承知って」

 11編のうち「大顔神社」は鎌倉時代の元武士の農民・林清之太夫俊久はやしせいのだいゆうとしひさが主人公。米や麦が不作だったある年、農民の代表として窮状を幕府に直訴したが、打ち首になり、河原にさらされた。その頭蓋骨の中にハチが巣を作り、打ち首を宣告した役人らを刺した。その後、捨てられた頭蓋骨はひそかに村に戻され、里人たちは「守り神」としてまつった。その場所が、有田川町奥にある大顔神社という。

完成した「有田地方の民話(有田川町編) ふる里の泉」
完成した「有田地方の民話(有田川町編) ふる里の泉」

 「上人の大蛇退治」は、鎌倉時代の高僧・明恵上人が、集落の池の水を飲む大蛇を退治するため、お経を唱えると大蛇はだんだん小さくなり、滝つぼに封じ込められたという内容だ。このほかにも、娘に化けたタヌキと若者の笑い話「尻くすべの幸吉」など多彩な物語が楽しめる。

 この絵本を制作したのは、榎本敬紀さん(64)夫婦が有田川町中井原で営むカフェ「バード天神前」の客や、住民らでつくる「Yai Teki Uraの会」。会の名称は、地域の方言にちなんだという。

 原作は、1996年発行の「有田の民話集 ふる里の泉」。地方新聞の記者だった鳥居勝さん(故人)が約30年かけて有田地方を巡り、聞き取ってまとめた約540編が収録されている。

 榎本さんが2年前、この民話集をカフェに置いたところ、興味を持つ客が増え、朗読会を開いたり、登場する滝や城跡などを巡る集いも催したりするようになった。やがて「もっと多くの人に伝えたい」と、年代を問わず読んでもらえるように絵本を作ることになった。

 制作にあたっては、鳥居さんの遺族の了解を得て、11編を選んでよりやさしい言葉で書き直し、すべての漢字に振り仮名を振った。絵はイラストレーターや仏画師らが描いた。

 榎本さんは「地域にこんな歴史や面白い言い伝えがあったのかと、目を向ける人が増えてくれたら」と期待する。後書きには子どもらに向けてこう記した。

 「みなさんがんでみておもしろいなとおもったおはなしがあったら、おうちのかたやお友達ともだちにもおしえてあげてください。有田ありだ大好だいすきな大人おとなたちより」

 80部発行。5月にも増刷を予定している。別の物語を取り上げた新たな絵本の制作も計画中で、1口1000円で寄付を募っている。問い合わせは、カフェ「バード天神前」(090・3287・5591)へ。

無断転載禁止
1135852 0 ニュース 2020/03/30 05:00:00 2020/03/30 05:00:00 2020/03/30 05:00:00 完成した「有田地方の民話(有田川町編) ふる里の泉」(有田川町で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/03/20200329-OYTNI50034-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

NEW
参考画像
10000円9000円
NEW
参考画像
クーポンご提示のお客様に粗品プレゼント
NEW
参考画像
4200円3780円
NEW
参考画像
1560円1300円

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
挑むKANSAI
読売新聞社からのお知らせ