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3市町長 キャンセル分接種

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医療従事者向けワクチン 「無駄防ぐため」

 新型コロナウイルスのワクチンを巡り、岩出、海南、紀美野の3市町長が、医療従事者向けのキャンセル分を利用して接種を受けていたことが、読売新聞の調べで分かった。厚生労働省が作成した自治体向けのワクチン接種の手引では、医療従事者の枠に首長が入るかどうかは明記されていないが、3人の自治体はいずれも「問題ない」としている。

 岩出市の中芝正幸市長(77)は4月下旬に接種を受けた。読売新聞の取材に対し「コロナ禍における市政の最高責任者として指揮を執る必要があり、市長が先に打てば市民も安心して打てると、当時は思った」と説明。問題はないとの認識を示した。

 海南市の神出政巳市長(70)は4月27日に接種。市は「ワクチンの無駄を防ぐための対策で不適切ではない」とする。一方で当時はその事実を公表しておらず、「公表が後になったことはおわび申し上げる」としている。

 紀美野町の寺本光嘉町長(76)が接種を受けたのは5月11日。町は「県にも町長が接種を受けることが可能か確認したが、OKとの返事があった。廃棄するのはもったいないし、問題はないと考えている」とする。

 厚労省の自治体向けの接種手引では、医療従事者に該当する対象を細かく定めている。自治体職員については「予防接種業務に従事し、感染者と頻繁に接すると自治体が判断した者」などが対象になるとしている。首長も対象に含まれるかどうかについて、厚労省の担当者は「各自治体の判断にゆだねており、厚労省として是非を言う立場にない」としている。

 医療従事者向けの余りワクチンで首長が接種するケースは全国で相次いでいる。これについて、仁坂知事は18日の定例記者会見で「余らせてしまうのはもったいないので、首長らに打つかどうかは、その場で考えればいい。各自治体の裁量の範囲内ではないか」と話した。

市民へ説明すべきだ

 政府の感染症対策に関わる福田充・日本大危機管理学部教授の話「首長は自治体の危機管理のトップであり、優先的に接種することは間違っていないが、市民からすれば、不公平さを感じることもあるだろう。政府が首長接種のルールを事前に決めて周知し、自治体も市民へ説明するべきだ」

優先リスト整備を

 危機管理コンサルタント会社「リスク・ヘッジ」(東京)の田中辰巳・取締役の話「首長以上に感染リスクがある人は世の中にたくさんおり、首長が優先される理由は全くない。ワクチン予約のキャンセルは予想できることであり、その際の優先接種者のリストをあらかじめ整備しておくべきだ」

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