日本語教育地域で偏り 教室設置16市町村のみ

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現場「需要に応えきれない」

 4月の改正出入国管理・難民認定法の施行で、県内でも新たな在留資格による外国人労働者が増えることが予想される。だが、県内の外国人に対する日本語教育の現状は「地域偏在」があるなど、十分に整備されているとはいえない状況だ。現場からは「外国人からの日本語支援の需要が増えた場合、このままの態勢では応えきれない」と懸念する声も上がっている。

 「いつ日本に来ましたか」「あの~、去年の12月に来ました」

 山形市城南町の霞城セントラル内にある市国際交流協会の日本語教室で5日、フィリピンや中国などの出身者5人が、たどたどしい様子で会話練習を繰り返していた。

 中国・黒竜江省出身で、県内の男性との結婚を機に昨年10月に来日した女性(26)は「日本語は発音が難しく、耳に入ってこない。でも、上達したら山形で仕事に就きたい」と目を輝かせる。2年前から山形市に住み、カフェで働いている米オレゴン州出身の男性(40)は「教室があって助かる。いつか日本で観光会社を設立するのが夢」と話す。

 初級コースを担当する市国際交流協会と、中級を担当する県国際交流協会(山形市)で日本語を学ぶ外国出身者は通年で計約60人。現在は、県内出身者の配偶者や、留学生など短期滞在者の利用が多いが、両協会の担当者は「今後、新しい在留資格による外国人からの需要が増える可能性がある」と口をそろえる。

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 だが、県内で日本語を学べる場所は地域的に偏っている。県インバウンド・国際交流推進課によると、県内で日本語教室を開いている団体は、少なくとも23団体(昨年2月末時点)。自治体別では35市町村のうち16市町村に設置され、複数団体があるのは山形(6団体)と米沢(3団体)のみだ。

 県国際交流協会の幹部は「授業レベルや開催時間帯など多様な要望に応えるためには、現状では足りない」と話す。

 同協会によると、外国人労働者を雇用する企業から「日本語講師を紹介してほしい」という依頼がきたり、各地の技能実習生から「日本語教室に通いたいが近くにないのでどうしたらいいか」などの相談が寄せられたりしているという。

 同協会では、近くに教室がない場合、日本語を教える意欲がある有志が登録している「日本語サポーター」を紹介して対応している。

 登録しているサポーターは県内に115人(昨年1月末時点)いるが、これも村山地域が57人、庄内地域が45人に対し、置賜地域が12人、最上地域は1人と地域の偏りが激しく、要望に応えることが難しいこともあるという。

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 教える側の待遇向上も課題だ。サポーターにかかる費用は依頼者と相談して決めるが、技能実習生などは資金に余裕がないケースが多く、ボランティアに近い形で稼働することがほとんど。山形市で日本語を教える50歳代女性は「需要が増えれば対応しきれない。国や県には費用補助や教育場所の確保などの支援を強化してほしい」と訴える。

 山形市国際交流協会の担当者は「国は地方任せにせず、現場の実情に合った制度設計をしてほしい」と話している。

436757 0 ニュース 2019/02/09 05:00:00 2019/02/09 05:00:00 2019/02/09 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190208-OYTNI50019-T.jpg?type=thumbnail

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