天童からプロ棋士を 子供ら対象「育成教室」

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 将棋駒の生産日本一を誇る天童市で、市と日本将棋連盟天童支部が、プロ棋士を目指す子供らを対象にしたプロ棋士育成教室をスタートさせた。講師を務めるプロ棋士との指導対局で棋力を磨き、プロ棋士養成機関「奨励会」に入会できる実力を培う。地元の悲願である「将棋のまち天童からプロ棋士を」の実現に向けた“一手”だ。

 「パチン」「パチン」。JR天童駅1階の天童将棋交流室に駒を指す音が響く。未来のプロ棋士候補たちは真剣な表情で盤面を見つめ、次の一手を思案していた。

 プロになるには原則、養成機関「奨励会」に入り、21歳までに初段、26歳までに四段になる必要がある。

 将棋駒の生産日本一で「将棋のまち」として知られる天童市。だが、同支部からは過去に2人の奨励会員を出したものの、プロは誕生していない。

 今回の育成教室には、同支部が運営する「天童少年少女将棋教室」に通い、プロ棋士を志す小学1年生から中学1年生までの児童・生徒ら14人が参加。指導にあたるのは、現役時代、中原誠十六世名人に師事した、仙台市出身のプロ棋士・熊坂学五段(41)だ。

 対局が終わると、熊坂五段は受講生らに対し、「ここまでは非常に良かった。最後の着地の問題だね」「少しずつ形を覚えていきましょう」などと丁寧に言葉をかけた。同支部の関係者らは「熊坂五段の指導力は抜群。子供たちの成長が楽しみだ」と話す。

     ◇

 天童市などがプロ棋士養成に向け、本格的に取り組み始めたきっかけとなったのは、近年の「将棋ブーム」だ。

 2017年に史上初の「永世七冠」を達成した羽生善治九段の国民栄誉賞受賞や、中学生でプロ棋士となった藤井聡太七段の活躍、さらに将棋を題材にした漫画「3月のライオン」の人気などで将棋への注目が高まっている。

 そんな中、同市は昨年10月、市制施行60周年記念事業として、同時対局数世界一を目指す「二千局盤来ばんらい2018」を開催。4724人による2362局がギネス記録に認定され、歓喜に沸いた。

 同市商工観光課は、将棋ブームで市民の将棋への関心が高まっているのを好機と捉え、今年度の市当初予算にプロ棋士養成事業として138万円を計上。同支部が週2回開いている少年少女将棋教室とは別に、より少数で将棋に集中できる環境を作ろうと、「プロ棋士育成教室」を週1回(木曜日)開くことにした。

 同課の村山秀和課長(50)は「将棋ブームの中、今ほど『金の卵』を見つける好機はない。プロ棋士を志すライバル同士で切磋琢磨せっさたくまし、棋力を向上させてほしい」と期待する。

     ◇

 11日に行われた育成教室の開講式には、同市の山本信治市長(71)や同支部の大泉義美会長(73)らが出席。山本市長は「本市の長年の夢であるプロ棋士の誕生を実現するための大きなスタートの日。一生懸命努力して奨励会を目指してほしい」と子供らを激励した。

 受講生である天童市の小学2年生の男児(7)は「藤井さんや羽生さんのように強くなってプロ棋士にたどり着きたい」と語り、山形市の中学1年生の男子生徒(12)は「中学生で忙しくなるけど、努力をして奨励会を目指せるように頑張りたい」と意気込んでいる。

 大泉会長は「悲願であるプロ棋士誕生への道のりはまだまだこれから。少しずつでも前進していきたい」と表情を引き締めていた。

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541379 0 ニュース 2019/04/18 05:00:00 2019/04/18 20:54:53 2019/04/18 20:54:53

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