読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

<1>宇宙産業

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

人工衛星の部品を担当した若手社員2人を見守る松山専務(中央奥)
人工衛星の部品を担当した若手社員2人を見守る松山専務(中央奥)

 ◆人工流れ星 2企業挑む

 流れ星に願いを。でも、いつどこで流れるかわからない。もし人工的に星を流すことができたら――。そんな夢のような構想に、県内の二つの企業が深くかかわっている。

 「宇宙産業はビジネスとして拡張していく。半導体で培ったうちの技術を、そのまま生かすことができる場なのです」

 下関市菊川町の精密部品製造「ひびき精機」の松山功専務(32)は強調する。

 人工流れ星のプロジェクトは、東京の新興企業「ALEエール」が2009年から進めている。高度400キロを周回する人工衛星から、瀬戸内海上空に直径1センチの粒を放出。大気圏に突入すると、流れ星のように輝く。広島を中心に直径200キロの範囲で観測でき、県内では岩国市などで見られるという。

 人工衛星の初号機を今月、2号機を今夏に打ち上げ、20年春に流れ星を発生させる。成功すれば、音楽フェスやスポーツイベントで星を流すといった事業化につなげる。

 ひびき精機は下関市の彦島で設立。主に船舶の電気工事を請け負ってきたが、1980年代以降、半導体製造装置部品が主力となり、従業員90人の企業に成長した。旋盤加工などの高い技術を生かす新しい場として選んだのが宇宙産業だった。

 今回、ALEからは人工衛星の部品を受注。精密な技術が要求されるが、あえて20歳代の若い職人に担当させた。

 「若いうちに自分の仕事に達成感を持ち、誇りにしてほしかった」と松山専務。もの作りに興味を持つ若者を増やすきっかけにするという思惑もあった。

 自身も宇宙に興味があったことから、社の宇宙産業への参入を主導してきた。「プロジェクトを通して、『あの会社に入れば夢を見ることができる』と思ってもらえたら、願ったりかなったりですね」

 山口銀行を傘下に置く「山口フィナンシャルグループ(FG)」(本社・下関市)も、このプロジェクトに大きな可能性を見いだしている。昨年8月、自社のファンドを通じてALEに1億円を出資し、11月には社員を出向させた。

 「今までのやり方だけでは地銀の生き残りは難しい。新たな投資先を探していた」。同グループ投資共創部の山根孝部長(44)は、出資の理由をそう話す。

 営業エリアは製造業の集積地だが、高齢化に伴う需要の減少で今後、業態転換を迫られる分野もある。新たな受注先の候補として挙がるのが宇宙産業という。

 プロジェクトへの参加は、社員に向けたメッセージでもある。「同僚が宇宙に目を向けていることを知ってほしい。チャレンジする姿勢を社内で示すのが狙いだ」と山根部長は力を込める。

 人工衛星の初号機の打ち上げは17日午前、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所で行われる。山口FGの社員も現地に駆けつけ、夢を載せたイプシロンロケット4号機が宇宙へ飛び立つ姿を見守る予定だ。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
61023 0 宇宙を見上げて 2019/01/03 05:00:00 2019/01/03 05:00:00 人工衛星の部品を担当した「ひびき精機」の若手社員(中央は松山専務) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190103-OYTAI50015-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)