読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

山口の彫刻家 遺作展 田中米吉さん 妻の願いかなう

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

田中さんの遺作を披露する大井さん(右)ら
田中さんの遺作を披露する大井さん(右)ら
田中米吉さん(家族提供)
田中米吉さん(家族提供)

 今年1月に95歳で亡くなった山口市の彫刻家田中米吉さんの遺作となった新作を初公開する「田中米吉 最後の仕事」展が、同市仁保下郷の田中さんのアトリエで、週末に完全予約制で開かれている。残りの開催日は10日と11日。過去の作品群と異なる趣の新作からは、生涯を通じて自身の表現を追求し続けた姿勢がにじみ出ている。

 同市の老舗菓子店の次男として生まれた田中さんは、宇部工専(現・山口大工学部)を卒業後、東京での活動などを経て1965年に帰郷。家業の菓子店を経営しながら、鉄やステンレスなどを使った独創的な作品を次々に発表した。

 米国で個展を開くなど海外でも活動してきたが、今年1月13日、心臓疾患で亡くなった。今年4月に東京での個展を控え、死の3日前には新作の部品が完成していた。

 田中さんと親交があった長門市の彫刻家大井秀規さん(60)が、妻の公子さん(84)から「新作を見せてあげたかった」との思いを聞き、一般公開しようと田中さんの知人らに呼びかけて企画。約2か月間かけて会場の手配や作品の組み立てなどの準備を進めてきた。

 遺作のタイトルは「宇宙の無限にあるがまま」(縦約3・6メートル、横約2・5メートル、高さ約3メートル)。ステンレス製で、四角柱や円を組み合わせた複雑な造形をしている。田中さんの作品は丸や三角、四角といったシンプルな形の作品が多いため、遺作は異色という。

 田中さんに約26年間師事し、今回の展示に関わった山口市の彫刻家ハセガワタカシさん(46)は生前、田中さんに「やりたいことを突き詰めて、誰が何と言おうと続けなさい」と励まされたという。「丸や四角を使う根本的な部分はぶれず、思い切った姿勢が出ている」と語る。

 アトリエには、2019年に米ニューヨークで開いた個展に出展した四角柱形の作品群も展示している。大井さんは作品を前に「酒も飲まず、彫刻が一番の人だった。天国で喜んでくれたかな」と話した。公子さんは「思いがけないことで、うれしい。これからも何らかの形で、夫の作品を残していきたい」と述べた。

 新型コロナウイルスの感染防止策のため事前予約制としている。10日は午後1~4時の1時間ごとに4回の入れ替え制。11日は午後3、4時の2回。いずれも先着10人限定で公開する。予約、問い合わせは企画メンバーの蔵田さん(050・3470・7858)へ。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2181384 0 ニュース 2021/07/06 05:00:00 2021/07/06 05:00:00 2021/07/06 05:00:00 田中さんの遺作を披露する大井さん(右)ら https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210705-OYTNI50010-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)