急流下り自然を体感

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急流を下るゴムボート(記者は右端。ラフティング関係者撮影)(13日、早川町で)
急流を下るゴムボート(記者は右端。ラフティング関係者撮影)(13日、早川町で)
ガイドの大窪さん(29日)
ガイドの大窪さん(29日)

 南アルプスの麓、V字の峡谷の真ん中を早川が貫く早川町。人口1049人と全国最少の町で、高齢化率は県内自治体でトップクラス(47・3%)だ。「全国最少」「県内トップ」といった言葉に反応しがちな記者(34)は、「この町に住んでみたい」と思い立った。「行ってもいいけど、ちゃんと記事、書くんだろうな」という上司の嫌みをかわし、町内の空き家を借りる許可を得た。山梨を舞台に女子高生がキャンプを楽しむアニメ「ゆるキャン△」のように、ゆるやかに夏の1か月だけ移住してみた。(松本健太朗)

急流を下るゴムボート(記者は右端。ラフティング関係者撮影)(13日、早川町で)

 1回目に紹介するのは、早川の急流をゴムボートで下るラフティング。「移住」がテーマだが、まずはアクティビティーに挑んだ。

 町の専門会社「本流堂」が企画するツアーの参加者に交ぜてもらった。ガイド歴18年という代表、大窪毅さん(43)は「乗れば早川の魅力が分かるよ」と自信満々。ラフティングにはまって会社を辞め、静岡県から移住して会社を興した情熱家だ。

 間近で見る早川はその名の通り流れが速い。記者はアウトドアに縁がなく初体験。水泳も得意とは言えず、「転覆したら……」と不安が襲う。「パートがあるから一緒に行くのは無理」と言って甲府に残った妻のことが一瞬頭をよぎる。

 こぎ方を教わり、7人でボートに乗り込む。ガイドは褐色の引き締まった体をしたパダム・グールンさん(28)。大窪さんの知人の紹介で2年前から働いている。5月に豪州で行われたラフティング世界選手権にネパール代表で出場したつわものだ。

 白波が立ち、渦巻く川へ「いち、に」と声を合わせてこぎ出す。「前へ前へ(こいで)」とパダムさん。「うそっ、ここ行くの」と思う間もなく、ボートが数十センチ落ちる。大量の水しぶきが上がる。急降下するジェットコースターの感覚だ。

 優しい顔つきで、「こいでこいで」「ストップストーップ」と容赦なく指示が飛ぶ。岩壁に衝突してバランスを崩す。体が飛び出しそうになる人をみんなで押さえて引き戻す。休む間もないスリルが続く。

 「冷たい」「きゃっ、落ちる」。みんな悲鳴を上げながらも笑顔だ。流れが緩やかな場所に来ると、緑の渓谷を横目に鳥のさえずりが聞こえる。誰かがつぶやいた。「平和だなあ」

 8キロを2時間かけて下った。昭和初期頃まで早川は木材をいかだに組んで流すなど運搬に使われていたとか。パドルをこぎながら当時に思いを巡らせる――。もちろん、そんな余裕はなかった。ただ、腕がぷるぷる震えるのは、大窪さんが言った通り、川の魅力を体感した証しだ。

 本流堂のラフティングツアーは4~11月開催。年間1500人が体験し、大窪さんは「疲れても楽しかったと思ってもらえるように、あえて山場を作っている。早川のファンを増やしたい」と語る。早川の水量がかつてより減って実施は降雨の後などに限られ、水量が少ない時は富士川で行う。

 小学生以上の2人から受け付ける。料金1人6700円(税込み)、町民は割引がある。問い合わせは、0556・45・2225。

ガイドの大窪さん(29日)

無断転載禁止
717010 0 ゆる移住@早川 2019/07/31 05:00:00 2019/07/31 05:00:00 2019/07/31 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190730-OYTAI50009-T.jpg?type=thumbnail

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