町総出 山村留学に熱

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早川北小ではオープンスペースで授業が行われている(7月17日)
早川北小ではオープンスペースで授業が行われている(7月17日)
早川町での山村留学を検討している親子の相談に乗る三部さん(左奥)ら保護者(7月15日)
早川町での山村留学を検討している親子の相談に乗る三部さん(左奥)ら保護者(7月15日)

 町を挙げて山村留学を推し進める。

 早川町高住の町立早川南小学校で7月4日午前、山村留学を検討する家族向けの体験入学が行われた。静岡県から母親(37)、6年生の長男(11)、3年の長女(9)らがやって来た。

 総合と国語などの授業を受ける長女の様子を教室の外から見守る。「漢字探しゲームをしよう」「このへんを持つ漢字は何があるかな」。机を並べる同級生は長女がとまどった様子を見せると、そっと教えてあげていた。長女が笑顔を浮かべてすぐなじんだ様子に、「良かった」と母親の顔もほころんだ。

 大規模校に通う子どもの元気がなくなっているなあと感じていたところ、テレビで山梨県内での山村留学を紹介する番組を目にした。距離が近いこともあり、早川町について調べた。体験入学後、「少人数の学校の雰囲気と先生の指導の仕方を見て安心して任せられると思った」と2学期からの山村留学を決めた。親子と祖父母で移住するという。

 今年度は南小と早川北小(同町大原野)の2校で計3家族が山村留学を決めた。全校児童は南小20人、北小17人。北小では町外出身の子どもが11人と6割強を占める。町教育委員会の笠井和人さんは「町内に子どもは少ないので、山村留学者の獲得は最優先」と話す。

 山村留学の対象は小1~中3。町は2003年度にスタートさせ、12年度には全国に先駆けて義務教育費の無償化を実現した。修学旅行や教材費などを町が負担し、給食費もかからない。

 町独自に教員を採用して「(異なる学年が一緒に学ぶ)『複式授業』なし」を掲げ、きめ細かな指導を図る。山村留学する世帯用の専用住宅まで整備する手厚さだ。

 地域もサポートする。

 町内で7月15日午後、山村留学を考えている東京都の5人家族との交流会が行われた。相談に乗るのは、移住している山村留学の先輩たちだ。

 「壮大な山の景色がぜいたく」「学校はマンツーマン。落ち着きのなかった子もすっかり変わった」と魅力を紹介。一方で「集落の行事があって結構忙しい。大変ととるか、楽しむか」「買い物は下手したら1日がかり」と本音も伝えた。

 留学を検討中の父親は「こういう自然の中で子どもを学ばせたいと思っていた。初対面なのに友人のように親切にしてくれた」と話した。

 交流会を企画したのは北小の保護者でつくる「北っ子応援団」。北小は12年3月に全校児童が4人まで減少し、南小との統合が現実味を帯びた。「北小に通って卒業したい」という子どもたちの思いを受け、支援に乗り出した。町の体験ツアーや東京でセミナーを開くなどしてきた。NPO法人「日本上流文化圏研究所」の調べによると、10年度、11年度はゼロだった山村留学に伴う移住者が、12年度は6世帯31人に急増した。

 自身もツアー参加をきっかけに東京から16年に移住した現団長の三部景子さん(43)は、「なじめずに出て行ってしまう人もいる。良いところも悪いところも知って納得して来てくれるように出来れば。各学年が1人にならないように、統合を避けられるようにしたい」と話す。(松本健太朗)

無断転載禁止
747632 0 人口減の現場@早川 2019/08/18 05:00:00 2019/08/18 05:00:00 2019/08/18 05:00:00 北小ではオープンスペースで授業が行われている(7月17日、早川町大原野で)=松本健太朗撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/08/20190817-OYTAI50020-T.jpg?type=thumbnail

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