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「公」の敬称深い愛着 善政時代超え敬われ

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熱心な受講者が集まった「武田信玄公大学」の初回講義(4月24日、甲府市総合市民会館で)
熱心な受講者が集まった「武田信玄公大学」の初回講義(4月24日、甲府市総合市民会館で)

 「歴史を学ぶ上で『公』の呼び名は付けません。だからといって皆さん、『何事だ』とか言わないで」

 4月24日、生誕500年を記念して甲府市が主催する「武田信玄公大学」が開講した。この日の講師を務めた萩原三雄・帝京大学大学院教授が冗談めかして言うと、受講者から笑い声が起きた。

 県内では親しみを込めて「公」の敬称が添えられる信玄。信玄公大学は年末まで18回にわたり、信玄の人柄や功績について学ぶ生涯学習講座だ。約70人の受講枠はあっという間に埋まった。市の担当者は「想像以上の人気に驚いた」と振り返る。

 武田信玄「公」像に信玄「公」祭り――。至る所で目にする信玄「公」の呼称は人々にどう映るのか。

 「なじみすぎて意識したことがなかった」と話すのは、県観光部長を務めた、やまなし観光推進機構の仲田道弘理事長。「県外の人に『信玄』と呼び捨てにされると、ヒーローをばかにされたと感じる県民も多いのでは」と笑う。

 一方、大阪府出身で、2015年に県立美術館の指定管理会社社員として甲府市に赴任した同館の金原あかね支配人は「『信玄公』で一つの言葉だという地元の職員も多い。最初は違和感があったが、だいぶ慣れました」と話す。

 では、信玄に対する深く根強い関心と愛着はどこから来るのか。

 仲田理事長は、江戸時代の甲府は幕府直轄の支配が長く続き、「お殿様」がいなかった点を挙げる。郷土の歴史に英雄を求めると、戦国時代までさかのぼり、おのずと信玄にたどり着くというわけだ。

 四方を山に囲まれた甲斐国から打って出て領国を広げ、天下統一も夢ではないところで急逝したという悲劇性も見逃せない。仲田理事長は「人々に山の向こうの世界を見せてくれた。どちらかというと内向きな性格の県民があこがれる存在」と語る。

 「他の戦国大名と比べ、『武田家』ではなく、信玄個人への忠誠や敬愛が強いのが特徴」と解説するのは萩原教授。信玄は家臣思いで人材の登用も公平だったと伝えられる。「信玄堤」にみられる治水対策や、地元独自の計量用具「甲州ます」の採用なども例に挙げ、「民衆に支持される政策を行った点が時代を超えて尊敬を集めてきた」と強調する。

 戦に強い英雄像だけでなく、為政者としての目配りも利いた信玄。その姿が今も語り継がれ、愛されているようだ。

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2026690 0 知りたい信玄 生誕500年 2021/05/03 05:00:00 2021/05/03 05:00:00 熱心な受講者が集まった「武田信玄公大学」の初回講義(甲府市の市総合市民会館で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210502-OYTAI50006-T.jpg?type=thumbnail

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