甲府「駅前の顔」 山交百貨店9月閉店

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半世紀以上の歴史に幕 業績不振続き

9月30日で営業を終了することを明らかにした山交百貨店
9月30日で営業を終了することを明らかにした山交百貨店

 JR甲府駅前の山交百貨店は1日、9月30日で営業を終了することを明らかにした。郊外の大型店やインターネット通販に押されて業績不振が続いていた。「駅前の顔」として半世紀以上、県民に親しまれてきた老舗百貨店の閉店に、県民からは驚きと落胆の声が上がった。(根岸優、鈴木経史)

 山交百貨店は1954年6月、甲府市桜町(現中央1)で百貨店「甲府松菱」として創業し、61年に国際興業グループの傘下に入った。65年11月に商号を「株式会社山交」に変更して現在の場所に開店した。

 89年10月に店舗の全面建て替えを行い、地下4階地上5階、売り場面積1万6445平方メートルで、若者向けのファッションブランドをそろえるなど売り場を刷新した。正面入り口に設置された楕円だえん形のカーブを描いて1、2階をつなぐエスカレーターが話題を呼んだが、業績不振のため2007年に事業を再編して「山交百貨店」となった。

 山交百貨店の桐谷典明常務によると、相次いで開店した郊外型ショッピングセンターやネット通販に顧客が流れ、売り上げの減少に歯止めがかからなかったという。「存続させるための努力を続けてきたが、これ以上は収益改善が見込めない。苦渋の決断。大変申し訳ない」と説明した。

 百貨店内の全67テナントが閉店するが、百貨店事業以外の保険・不動産事業は継続する。従業員111人と個別に面談し、配置転換や再就職支援を行うという。閉店後の土地・店舗については売却するかどうかも含め現時点で未定という。

 東京商工リサーチ甲府支店によると、「山交」として営業していた1997年2月期決算では約121億7700万円の売り上げがあったが、2018年3月期決算では約28億4300万円まで落ち込み、6年連続で赤字決算となっていた。

長年の買い物客「とてもさみしい」

営業終了を知らせる店頭の看板(1日)
営業終了を知らせる店頭の看板(1日)

 「9月30日をもちまして、百貨店の営業を終了させていただくことになりました」。店頭には1日、営業終了を知らせる看板が設置され、食い入るように見つめる人の姿が多く見られた。

 長年、洋服や食品の買い物に来ていたという山梨市の農業広瀬とし子さん(76)は、「とてもさみしい。駅前で立地もよく、店内を見て回るのが楽しかった」と惜しんだ。

 甲府市の行政書士堀内昭司さん(71)は、仕事先へのお歳暮やお中元を購入していたという。「山交の包装紙は高級感があって喜ばれる。郊外に大型店ができて人の流れが変わってしまった」と語った。

 甲府市の公務員男性(53)は「昔はここで買い物も食事もできたが、最近はテナントがどんどん撤退して、食料品くらいしか買うものがなかった。閉店は残念だが、仕方ない」と話した。

 甲府市の樋口雄一市長は「本県を代表する百貨店として親しまれたかけがえのない場所。中心市街地の活性化や地域経済の発展に大きな役割を果たした百貨店が閉店の方針を決定したことは誠に残念」とのコメントを出した。

 長崎知事は「誠に残念。甲府市や商工会議所と連携し、建物の有効活用など、活性化につながるよう協力していきたい」とのコメントを発表した。

469439 0 ニュース 2019/03/02 05:00:00 2019/03/02 05:00:00 2019/03/02 05:00:00 9月30日で営業を終了することを明らかにした山交百貨店(1日、甲府市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190301-OYTNI50031-T.jpg?type=thumbnail

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