識者「進路次第で洪水も」

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 台風19号による大雨で、県内では大規模な河川の氾濫は起きず、犠牲者は出なかった。だが、有識者は「今回は台風の通過ルートがずれただけ。山梨が災害に強いということは全くない」と強調する。

 甲府地方気象台によると、降り始めからの雨量は南部で562ミリ、大月で453ミリを記録し、10月1か月分の平年降水量の約2~3倍に達した。気象台の北野芳仁調査官は「台風が山梨の南側を通過し、県東部地域や山あいの南部で降水量が増えた」と解説する。

 一方で雨を降らす暖かく湿った空気が秩父山地で遮られたと分析する。大泉(北杜市)や甲府市などの降り始めからの雨量は約140~約190ミリと、富士川に注ぐ上流での雨が割合少なく、洪水にならなかったという。

 ただ、今回より規模の小さい台風でも富士川流域を北上すると大きな被害を及ぼす。このルートを通過した1959年の台風7号では、大雨で河川が決壊するなどし、死者・行方不明者90人、家屋流失303戸、全半壊6233戸という被害が出た。北野調査官は「台風のルート次第では今回も危険な状況だった」とする。

 山梨大の鈴木猛康教授(地域防災学)は「予報通り県内全域で400~500ミリが降っていたら、確実に洪水が発生していた」と語る。富士川や釜無川の堤防は300~350ミリの降水量までしか耐えられないと指摘する。

 甲府盆地では浸水予想範囲に31万人が住んでいるが、今回避難したのは県全体で最大8083人にとどまった。鈴木教授は「県内では浸水が10メートルに達する場所もあり、県民の意識が低いと言わざるを得ない。台風の進路次第で、川が氾濫した今回の周辺地域より深刻な事態になる。山梨は決して災害に強くない」と警鐘を鳴らした。

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846334 0 ニュース 2019/10/16 05:00:00 2019/10/16 05:00:00 2019/10/16 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/10/20191015-OYTNI50005-T.jpg?type=thumbnail

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