オウム真理教元幹部、死刑囚13人全員の刑執行

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 法務省は26日、1995年3月の地下鉄サリンなど一連のオウム真理教事件に関与して殺人罪などに問われ、死刑が確定した教団元幹部の死刑囚6人の刑を東京、名古屋、仙台の3か所の拘置施設で執行した。首謀者で教祖の麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚ら7人の刑は6日に執行されており、これで死刑が確定した13人全員の刑が執行された。これまでの経緯をまとめた。(肩書や年齢は当時)

・あわせて読む:松本智津夫死刑囚らの刑執行…オウム真理教事件まとめ

地下鉄サリン事件(1995年3月20日撮影)
地下鉄サリン事件(1995年3月20日撮影)

残っていた6人の死刑を執行(2018年7月26日)

 26日に刑が執行されたのは、端本悟(51)、豊田亨(50)、広瀬健一(54)(以上、東京拘置所)、岡崎(宮前に改姓)一明(57)、横山真人(54)(以上、名古屋拘置所)、林(小池に改姓)泰男(60)(仙台拘置支所)の各死刑囚。

 確定判決によると、松本元死刑囚は元幹部らに指示し、89年11月に教団と対立していた坂本堤弁護士の一家3人を殺害。94年6月に長野県松本市でサリンを散布して住民7人を、95年3月には都内の地下鉄車内でサリンを散布して乗客ら12人を殺害するなどした。

 この日に刑が執行された6人は、これらの3事件のいずれかに実行犯として関与し、2005年5月~09年12月に最高裁で死刑判決が確定していた。

 26日に死刑が執行された元幹部は以下の6人(呼称略)。

小池(旧姓・林)泰男~日比谷線散布 8人を犠牲に

 東京都出身。工学院大電気工学部(2部)を1983年に卒業後は定職に就かず、約3年にわたってインドなどを放浪した。帰国後、都内の電機会社に勤務したが、松本死刑囚の著書を読み、87年に「オウム神仙の会」に入会。翌年出家した。教団の横浜、大阪両支部の支部長を務め、省庁制導入後は「科学技術省」の次官となった。

 地下鉄サリン事件では、日比谷線に持ち込んだサリン3袋に傘を突き刺し、散布役5人の中で最多となる8人の犠牲者を出した。松本サリン事件では、サリン噴霧車の製造に関与するなどした。

豊田亨~物理の専門家 兵器製造担当

 兵庫県出身。東京大理科1類に入学し、同大大学院理学系研究科で素粒子論を専攻した。松本死刑囚の著書を読んでヨガに興味を持ち、大学1年だった1986年に教団に入信。松本死刑囚の勧めで出家した。

 教団では兵器製造を担当。教団の出版物には「物理学のエキスパート」として登場し、省庁制導入後は「科学技術省」の次官とされた。地下鉄サリン事件では、日比谷線の車内にサリンを散布し、男性1人を死亡させるなどした。公判ではほとんど弁解を口にせず、1審の最終意見陳述では「今なお生きていること自体が申し訳ない」などと述べた。

広瀬健一~武器密造関与 小銃を作製

 東京都生まれで、早大理工学部応用物理学科を首席で卒業した。早大大学院時代の1988年に教団の本を購読後、「熱いものが尾てい骨から頭に上がる体験」を感じ、入信。大手電機メーカーへの就職を断って出家した。教団では「科学技術省」に所属し、武器密造計画に深く関与した。ロシアで自動小銃の製法を調査し、実際に小銃を完成させた。地下鉄サリン事件では丸ノ内線の車内でサリンをまいた。

 逮捕後に専門書を自ら調べ、入信のきっかけとなった「神秘体験」が科学的に説明できる幻覚的現象だったと確信。公判では積極的に事件への関与を供述した。

横山真人~丸ノ内線車両 散布の実行犯

 神奈川県出身。東海大工学部応用物理学科を卒業後、群馬県の電気会社に就職したが、松本死刑囚の著書を書店で読んだことをきっかけに入信した。教団では、「科学技術省」次官に就任。自動小銃製造の総括責任者に選ばれるなどした。

 地下鉄サリン事件では、丸ノ内線の電車内にサリンをまいた。この車両から死者は出なかったが、結果全体の責任を担う「共同正犯」と認定され、死刑とされた。1審判決後に接見した弁護士には、「死刑になった方が、被害者に少しでも納得してもらえる」と語っていたという。

端本悟~大学で空手 坂本弁護士一家殺害事件を実行

 東京都出身。早稲田大法学部に進学後、教団に入信した高校時代の友人を脱会させるため教団の出版物を読んだ。しかし、悟りを目指す教義や修行に「これは本物だ」と次第にひかれるようになり、1988年に入信。大学は退学した。大学入学後から空手を習い、教団内の武道大会で優勝。その腕を見込まれ、坂本堤弁護士一家殺害事件の実行犯グループに選ばれた。

 「自治省」に所属。公判では松本死刑囚について、「八つ裂きにしても許せない」などと述べ謝罪した。一方、事件について「冗談みたいに偶然が重なった」などとも述べ、遺族から批判されたこともあった。

宮前(旧姓・岡崎)一明~坂本弁護士の住所調べ殺害

 山口県出身。生後間もなく養子に出されるなどし、父親像を松本死刑囚に求めたとされる。高校卒業後、職を転々としている最中に入信。教団では尊師に次ぐ位の「大師」だった。

 坂本堤弁護士一家殺害事件では弁護士宅の住所を調べ、自ら首を絞めるなどした。約3か月後の1990年2月、自身を含む教団幹部らが立候補していた衆院選の最中に選挙資金を持って逃走し、教団を脱会した。公判では、坂本事件での自白によって自首が成立するかどうかが争点となった。1審は、自首は認定する一方、「自己保身のためだった」として刑を軽くすべきではないと判断した。

オウム真理教を巡る出来事

(2018年7月7日掲載)
(2018年7月7日掲載)

オウム真理教による主な事件と元幹部の関与

(2018年1月20日掲載)
(2018年1月20日掲載)
34058 0 まとめ読み 2018/07/26 11:45:00 2018/07/26 11:45:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180726-OYT8I50004-T.jpg?type=thumbnail

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