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    遺跡破壊

    バーミヤン大仏破壊7年…再建か部分修復か 地元は生活優先望む声も アフガン

    • アフガニスタン中部バーミヤンで、初めてライトアップされ浮かび上がる大仏跡(2008年7月24日)=尾崎孝撮影
      アフガニスタン中部バーミヤンで、初めてライトアップされ浮かび上がる大仏跡(2008年7月24日)=尾崎孝撮影

     アフガニスタン中部にある仏教の世界遺産「バーミヤン遺跡」の2体の大仏立像が2001年3月、旧支配勢力タリバンの手で破壊されてから7年が経過した。爆破で四散した破片の収集作業はほぼ終了。これを受け、同遺跡保存の国際専門家会議は6月、「大仏再建を巡る諮問委員会」の設置を決定した。大仏を再建するか、部分修復にとどめるのか、本格的な議論は来年早々にも始まる。

     高さ55メートルの大仏立像の足元だったあたりには、幅3メートルを超える巨岩などが白いビニールシートに覆われて保存されている。小規模な破片は近くの小屋に集められ、破片の一部には再建作業が可能なように番号も記されていた。

     そこから東に約800メートル離れた高さ38メートルの大仏立像跡も同様で、爆破で亀裂が入り崩落の危険があった仏龕(ぶつがん)には足場が組まれ、補強されている。

     破片の収集や爆破で傷んだ壁画などの修復は、03年7月から、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)を中心に日本、ドイツ、イタリアなどの専門家らにより行われてきた。遺跡は同年、世界遺産(危機遺産)にも登録された。

     大仏再建の決定は、遺跡の当該国であるアフガン政府が握る。関係者によると、政府は再建に前向きとみられるが、表向きは、「再建するかどうかはまだ白紙」(アブドル・アハド・アバシ歴史的記念物保存・修復局長)と態度を明確にしていない。

     背景には、依然として国民の大半が貧困にあえぐ中、大仏一体あたり3000万~5000万ドル(1ドルは約107円)といわれる再建費用を、政府が人道支援に優先して国際社会に要請出来るのかといった問題がある。

     遺跡のあるバーミヤン州は、国内最貧州の一つで、州都バーミヤンには公共の電力設備すらない。大仏跡近くの石くつで生活するアラフダッドさん(33)は「まず生きている人間の生活向上を考えてほしい。再建問題はそれからだ」と訴えた。

     また、同国の国民の約99%が偶像崇拝を禁じるイスラム教の信者であることも、大きな「足かせ」となっている。

     「大仏再建を巡る諮問委員会」の委員の一人、前田耕作・和光大名誉教授(アジア文化史)は「個人的見解」とした上で、「破壊後もそれなりの姿を残している38メートルの大仏跡は、破壊行為による『負の遺産』としてそのまま残し、55メートルの大仏立像は、収集した破片を最大限用いて再建を試みるべきだ。この方向で、意見を一致できると思う」と語った。(アフガニスタン中部バーミヤンで 佐藤昌宏)(2008年7月29日朝刊)

    2008年07月29日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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