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    老後破産

    年の差婚で「教育費」が重荷に…「老後破産」の現実(11)

    ファイナンシャルプランナー 柳澤美由紀

    ピアノ教室がきっかけで私立中学を目指すことに

    • (写真はイメージです)
      (写真はイメージです)

     マンションを買った1か月後、妻は娘に習わせたいと、50万円でピアノを買った。それは娘の最高の遊び道具となった。毎日楽しそうに練習している。ほどなくして、ピアノ教室の先生から「筋がいい。上を目指したほうがいい」と言われる。妻はよほどうれしかったのか、娘の未来のためにと、さまざまな投資をするようになった。

     まず小学校に入学すると、英会話教室に通うことになった。海外演奏を意識してのことだ。最近では、音楽大学の付属中学校を受験させたいと言い出し、受験準備のできる先生探しも始めた。娘もすっかり乗り気である。そんなタイミングで夫が受けた研修でライフプランシミュレーションをしたら、定年退職の翌年(61歳)から赤字が続き、娘が19歳のときに預貯金残高がマイナスとなり資金が底をつくことがわかった。このままではいけない。でも、どうしたらいいかわからない。迷った末に、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談することにした。

    定年の翌年から年100万円を超える赤字に

     音大の付属中学に進学したいと言われた時点で、今後娘の教育費がさらに増える覚悟はできていた。想定外だったのは、再雇用制度を活用した際の夫の収入急減である。管理職として年収1000万円(手取り約800万円)を稼いでいたのに、再雇用後の給与は月25万円で賞与なし。年収は300万円と大幅に減ってしまうのだ。高年齢雇用継続基本給付金(※)が雇用保険から年45万円(=月25万円×15%×12か月)出るようだが、大きな収入ダウンである。

     定年退職する来年(60歳時)は前年の所得をもとに算出された住民税が徴収されるので、月々の手取り収入額は大幅に下がる(それでも定年直後は退職金が入り、年間収支は黒字となる)。現役時代は年間400万円以上貯蓄にまわすことができたのに、61歳になる2018年度から赤字となり、シミュレーションでは、定年から7年目には退職金を使い果たす結果となった。

     ※原則として、60歳以降の賃金が60歳時点に比べて75%未満に低下した状態で働き続ける場合に支給される給付金のこと

     参考:「雇用継続給付:高年齢雇用継続給付」(厚生労働省ハローワークインターネットサービス)

    2016年07月29日 10時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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