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アメフト危険なタックル問題…日大再回答書の要旨

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 平成30年5月6日に行われました貴部との定期戦において発生した弊部選手の反則行為について、改めて、負傷されました貴部選手へ謝罪し、お見舞い申し上げます。また、ご迷惑をおかけしました貴部関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。

 なお、弊部選手につきましては、部として事実の聞き取りが出来ておらず、メディアにて報道されました記者会見の情報を参考に、記載させていただいておりますことを申し添えます。

【1】貴部との定期戦前半第1攻撃シリーズ1プレー目の弊部選手反則行為に係る弊部見解について

〈1〉それまでの指導内容

 弊部では、他の同僚大学アメリカンフットボール部と同様、コーチ制を採っており、(内田正人前)監督の意向を受け、コーチが各ポジションリーダーまたは各選手に指示を出し、併せて、各ポジションリーダーは自らが担当するポジションの選手の取りまとめを行っております。

 日常の練習においては、弊部コーチ及び各ポジションリーダーが、選手に反則行為があった場合、その都度当該選手に確認及び指導を行っております。また、弊部選手全員に対しても、場合によってはグラウンドで、通常はミーティング会場において、その行為がなぜ反則であるのか、共通認識を持つことを徹底しております。

〈2〉当該プレーに至った経緯

 弊部選手は、日本代表に選ばれるほどの実力者であります。貴部が5月17日付で作成されました見解にも記載があります通り、昨年の甲子園ボウルや今春の試合において、弊部選手はルールの範囲内でプレーをしておりました。弊部選手は、「気持ち」を前面に出すことで、さらに選手として成長できると非常に期待されておりましたが、その「気持ち」が、直前の連休期間中の練習では見られませんでしたため、気持ちを前面に出すようにとの指導を行いました。しかし、メンバーを決める段階ではそこまでのレベルにはなっていないと判断し、当初のメンバーには入れておりませんでした。しかし、試合直前、本人が試合に出たい旨申し出があり、強い「気持ち」があることを確認できたため、急遽(きゅうきょ)メンバーにすることを決めた経緯があります。

〈3〉当該プレーに関して弊部が把握する事実

 (略)

〈4〉当該プレー後の指導者の対応

 (ルールを逸脱した行為に対する監督・コーチの認識)

 1回目の反則行為直後については、監督はボールの動きに着目していたため、反対方向で行われた反則については現認しておりませんでした。このため、当該選手への対応について、交代の指示や厳しい注意・指導を怠りました。井上(奨前)コーチは現認しておりましたが、同コーチは、弊部選手に自信を持たせたいと考え、もう少しプレーさせようとしておりました。なお、2回目の反則行為後、コーチから当該選手に対し、ボール保持者に向かってプレーするよう注意指導・指示を出しております。

 3回目の反則行為により資格没収となった際の対応については、厳しく注意・指導すべきでした。

〈5〉試合後の対応

 当該試合の翌日には、ディフェンスを担当する選手において、ビデオを用いての反省会を行い、反則行為について確認を行いましたが、この時も負傷された選手への謝罪の動きはありませんでした。

 貴部選手は全治3週間の負傷をされましたが、同選手が後半も出場されていたことで当方の認識が甘くなってしまったところは実際ございます。非常に危険で悪質な行為であったことは間違いなく、その行為を真摯に受け止め、プレー直後や試合後に反省し、貴部へ速やかに謝罪にお伺いするべきでした。

〈6〉監督の発言について

 「潰せ」は、アメフトでは日常的、慣例的に過去からずっと使い続けてきた表現であり、反則を容認するものではなく、実際に犯罪としての傷害を指示する意図の発言ではありません。

 それぞれの発言の真意は、あくまで、思い切ったプレーをした結果の反則は監督が責任を取るということであり、相手選手への傷害を指示したものではありません。

 現在の確認作業では、当該選手に反則行為をうながすような指示や言動は確認できず、また、聴取したアメフト部の他の部員からは、監督が直接部員に指導することはほとんどなく、指示を出すときコーチ又は4年生の幹部に指示して部員に伝えるという方法で行われたということになります。

 今回確認した範囲内では、当該選手が、監督からプレー上の指示を直接受けたことがないということです。直接反則行為を促す発言をしたという事実は確認されておりません。もっとも、日大アメフト部内における監督とコーチ間で、いつ、どのように意思疎通や意思決定が行われているか等について、井上コーチの弊部選手に対する言動が、井上コーチの独断によるものか、監督の指示や合意に基づくものかは、判断がつきかねるところです。

〈7〉井上コーチの発言とその意図について

 井上コーチが弊部選手に「QBを潰せ」という趣旨の発言をしたことは、井上コーチ自身が認めており、他の部員からの証言もあり、確認されております。

 一方、井上コーチが「関学のQBを壊せば、秋の試合に出られなかったら、こっちの得だろう」と発言した点については、井上コーチは否定しており、確認作業の中においては、他の部員の中でもそのような発言を聞いた者がおらず、確認は得られませんでした。

 井上コーチは、弊部選手を来年4年生のリーダーとして育てるため、同人のおとなしく、自分の感情や意見を表に出さない性格を改めさせ、向上心や闘争心を持たせたいと思い上記発言をしたと述べています。

 井上コーチが上記発言をした趣旨、意図について、井上コーチは、弊部選手が日大豊山高校時代からアメフト部の監督を務め、以後日大入学後も合わせ5年の付き合いで信頼関係があり、同人が来年4年生になる折にアメフト部のリーダーの一人として育てようと、厳しく練習中指導をしていた旨述べていること、井上コーチが弊部選手の一連の反則行為をみて、弊部選手に対し、その後のプレーに先立ち「キャリア(ボールを持っている選手)を狙え」と注意した事実は確認できました。なお、他に井上コーチから同様の指示を受けて反則行為をした部員の存在は確認できませんでした。現状の確認作業においては、井上コーチの指示が、弊部選手をして、相手選手に怪我を負わせることを指示したり、意図したものとまで結論づけることはできないと考えます。

 また、井上コーチは弊部選手に対し、単に「潰せ」と述べるにとどまらず、「アライン(セットする位置)は、どこでもいい」「1プレー目で相手のQBを潰してこい」と具体的な指示を出し、「QBを壊す」ことを試合に出るための条件として挙げるなどしており、これが一般的な声掛けの範囲に留まるものか否かについて、同僚の選手の証言では、当該選手が井上コーチから本気でQBを潰すような行為を指示されていると思い込んでいたことがうかがえる発言もあり、今回の確認のみで井上コーチの真意を判断することは困難と考えています。

〈8〉今回の問題の原因について

(1)まず、背景として、一昨年4位のチームが昨年度学生日本一となるために、かなり厳しい練習を続けてまいりました。今でも、他チームと同様の練習量・質では、関東でも優勝できる程のチームではないと考えています。それを、優勝へと引き上げるための厳しい練習が重なり、チーム内に無理が広がり、いわばチームに金属疲労を起こしている状態であったということが背景にあります。

(2)その上で、監督、コーチ及び各ポジションリーダーと、現場の選手との間の意識の差が、今回の問題の本質と認識しております。つまり、監督、コーチ及び各ポジションリーダーは、選手が思いきってプレーすることで、結果として反則を取られても、それを反省することで次につながる、成長できる、との意識で選手を指導しておりました。特に本番である秋季リーグ戦に向け、この時期(春季)の試合はその意識が強くあります。

 一方、受け取る側の選手について、通常であれば、1年生からの練習試合を通じて、そのような場合、どの程度のタックル、サックを求められているのかは、ゲームの中で理解し合えることであったと思われます。しかしながら、通常であれば考えられないような反則行為をやらざるを得ないと思わせてしまうような状況に追い込んでしまったことは、日々の練習における監督コーチと選手のコミュニケーション不足、信頼関係不足から起きたと思われ、深く反省しております。

 監督、コーチは「潰せ」「壊してこい」を日常的、慣例的な指示として捉え、選手はなんとしても無理にでも「潰す」「壊す」ためにタックルに行かなければならないと、いわば強迫的な感覚を持って向かっていったという、いわば決定的な認識の齟齬(そご)がなぜ起こったのかは、弊部選手が、通常の練習、連休中の集中練習、メンバー決定等の過程を経て精神的にかなり追い詰められていたという点が指摘できると思われます。

〈9〉第三者委員会設置について

 (略)

〈10〉弊部選手について

 弊部選手をこのような状態に追い込んでしまった責任は指導者にあり、本人には責任はありません。フィールド上の責任はすべて監督にあります。

【2】今回の反則行為を二度と起こさないための弊部再発防止策等について

 このたび、お騒がせしました責任を取り、弊部では以下のとおり再発防止を進めます。なお、部の存続については、大学スポーツであることから、学生としての活動の場、及び大学としての教育の機会を放棄せず、再発防止策を実行していきます。

〈1〉指導者の意識改善

 今回のような指導者と選手の意識の乖離(かいり)を防ぐため、指導者は選手一人一人と向き合い、話し合いながら確認していきます。

 具体的には、技術だけではない意識の部分や指導時の言葉・表現を含め、今回の反省を踏まえながら選手一人一人と接していき、ルールに基づいた指導を行うよう意識改革を行います。

〈2〉過去の試合映像等を利用したプレー検証の徹底

 現在もプレーの検証は行っておりますが、今後も部員全員による過去の試合映像を利用したプレーの検証を行います。特にパーソナルファウル、酷いパーソナルファウルについては、重点的に指導を行っていきます。

 ※一部で表記や表現を補っています。

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23565 0 まとめ読み 2018/05/28 11:30:00 2018/05/28 11:30:00

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