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新型コロナウイルスの感染者に新型インフルエンザ治療薬のアビガンを投与する観察研究について、藤田医科大(愛知県)は26日、新たな副作用は確認されていないとする中間報告を公表した。治療効果については「評価できない」とした。
同大は15日までに、計407医療機関の2158人分の情報を収集。アビガンを使った患者の経過について調べた。
投与開始14日目に、軽症者の88%、酸素の吸入が必要な中等症の人の85%、人工呼吸器などを使う重症者の60%に改善がみられた。同大の土井洋平教授は「大多数の患者は数週間で自然に改善する。アビガンを服用しなかった患者と比較しておらず、効果は評価できない」と述べた。
副作用については、約25%にあたる532人に表れた。高尿酸血症などが335人(約16%)、肝機能障害などが159人(約7%)で多かった。いずれも以前から知られたもので、投与の終了後に改善するとした。
同大では、この観察研究とは別の臨床研究も進めており、ともに研究を続けていくとしている。
一方、政府が5月中の承認を目指していたアビガンについて、加藤厚生労働相は26日の記者会見で断念することを明らかにした。加藤氏は「来月以降も臨床研究や治験を継続し、有効性が確認され次第、迅速に承認を行う」と述べた。