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iPS使い初のがん治療、がん病巣に免疫細胞投与…千葉大・理研

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から特殊な免疫細胞を作り、顔や首にできる「頭頸部とうけいぶがん」の患者に投与する治験を、千葉大と理化学研究所のチームが実施したことがわかった。iPS細胞由来の細胞を使ったがん治療は、国内初という。

 頭頸部がんは、鼻や口、喉、あご、耳などにできるがんの総称で、国内の患者は推計で3万人とみられる。

 チームは健康な人の血液を採取し、がん細胞を攻撃したり、他の免疫細胞を活性化したりする「ナチュラルキラーT(NKT)細胞」を分離。これをiPS細胞にして大量に増やし、再びNKT細胞に変化させた。

 チームは14日、千葉大付属病院で、がんが進行するなどして手術や抗がん剤治療などが難しい患者1人に対し、NKT細胞約5000万個を手首から動脈を通じて病巣部に投与した。他人のNKT細胞を使うと、iPS細胞からNKT細胞に戻しやすく、患者に投与する十分な量をあらかじめ準備できるメリットがある。

 治験は2022年3月末までに、20~70歳代の患者4~18人に対し、2週間おきに最大3回投与することを計画している。安全性と有効性の確認が目的で、チームはNKT細胞や他の免疫細胞ががん細胞を攻撃し、がんの増殖を抑えることを期待している。

 チームの代表を務める本橋新一郎・千葉大教授は「安全性を第一に、慎重に治験を進めていきたい」と話した。

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