受動喫煙被害の子供、9割に喫煙者の同居家族…千葉市が尿検査で実証

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 受動喫煙による子供の健康被害を防ぐ取り組みの一環として、千葉市は5日、児童を対象に初めて実施した尿中コチニンの検査結果を発表した。コチニンの濃度が高かった児童は1割で、このうちの9割に喫煙者の同居家族がいた。市は「家族の喫煙と受動喫煙の関係が裏付けられたのではないか」としている。(大和太郎)

 市は今年4月施行の受動喫煙防止条例で、受動喫煙からの未成年者の保護を規定している。児童と保護者に受動喫煙の影響を分かりやすく示し、自ら被害を防ぐ行動につなげてもらおうと、全国的にも珍しい検査を行った。

 全6区の中で保護者の喫煙率が最も高いとされる若葉区で昨年10月、市立小20校に通う4年生の児童1033人を対象にアンケートを実施。このうち保護者が希望した757人の児童に12月、尿検査を受けてもらった。

 日本禁煙学会の基準をもとに、受動喫煙を受けているとする尿中コチニン値を1ミリ・リットルあたり5ナノ・グラム以上(ナノは10億分の1)と設定した。検査結果によると、5ナノ・グラム以上は77人(10・2%)おり、このうち93・5%にあたる72人に喫煙者の同居家族がいた。

 アンケートに回答した1002人のうち、同居家族に「喫煙者あり」は418人(41・7%)。「なし」は575人(57・4%)、不明9人(0・9%)。喫煙者は、父が329人で、母(158人)の倍以上だった。両親とも喫煙は92人だった。

 市は今年度、若葉区に加え、花見川区でも同様の検査を行う予定だ。保護者に結果を伝え、「子供のそばでは吸わない」など受動喫煙を避ける行動を促す。市の担当者は「子と親が受動喫煙の実態を正しく理解する手助けをしたい」としている。

条例効果 喫煙可能施設が半減

 国の法律より厳しい規則を盛り込んだ千葉市の受動喫煙防止条例は、4月の施行から7か月たった。市によると、屋内での喫煙が半減するなど、条例の効果は出ている。一方で、指導しても違反を繰り返す店があり、市はより強い措置も視野に入れている。

 10月末現在のまとめでは、市が巡回訪問した事業所は延べ1万37施設。このうち訪問時に屋内で喫煙可能としていたのは1割弱の887施設だった。条例施行前の半年間と比べて半減したという。

 飲食店約4000店を対象に行った外観調査では、135店で条例違反が確認された。126店は喫煙標識を掲示しておらず、要件を満たさず店内喫煙可としたのが6店、不当に喫煙目的店の標識を掲示したのが3店あり、それぞれ改善するよう指導した。

 市民らが違反を見つけた場合、市は無料通信アプリ「LINEライン」などで通報を受け付けている。10月末時点で延べ536件の通報があった。内訳は飲食店169件、コンビニ店52件、パチンコ店24件となっている。

 改正健康増進法の違反に対し、国は繰り返しの丁寧な指導を求めている。市はこれに倣い「条例の目的は罰則ではなく指導を通した改善」として、現在までに罰則を適用した例はない。ただ、5回の指導で改善されない飲食店もあり、今後は勧告など、より強い法令上の手続きも検討する。

 ◆尿中コチニン=たばこに含まれる有害物質ニコチンは、体の中でコチニンという物質に変化する。コチニンは尿と一緒に排出され、その値は受動喫煙の影響を測る目安となる。数値は遺伝的要因や体調、時間などにも左右される。

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1614268 0 医療・健康 2020/11/10 10:07:00 2020/11/10 10:07:00

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