PCR検査、1000円で…希望する市民対象に
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栃木県那須塩原市は16日、1月から希望する市民を対象に1000円で新型コロナウイルスのPCR検査を受けられる事業を始めると発表した。市によると、高齢者などに限定せず、幅広い市民に実施する検査は全国でも珍しいという。
検査は複数人の検体を一度に検査するプール方式で、唾液を採取して世帯ごとに検査する。最大5人まで検査できる。プール方式にすることで検査の数を減らして価格を抑えることができたといい、1検査当たり5000~6000円の検査費を1000円で提供する。3月までに3000回分、最大で1万5000人分の検査を見込んでいる。市内に新しくできる民間検査機関の検体採取場所に出向いて検査を受けてもらう。
陽性反応が出た場合は、市内の医療機関で再検査が必要になる。プール方式では、複数の検体を一度に検査するため、陽性が判明した場合、どの検体が陽性かまでは判別できない。このため、再検査する全員分の検査費は市が全額補助する。
市は事業費約1200万円を見込む。開会中の12月定例市議会に関連予算を提出しており、採決は17日に行われる。
渡辺美知太郎市長は実施の理由について、「検査を受けたいのに費用面などで受けられないのは問題だ。なるべく選択の余地を作りたい。クラスター(感染集団)になってからでは遅い」と説明。「PCR検査を日本で最も受けやすくする環境作りを進める」と話した。
一方、市は10月末から、市内の旅館・ホテルの従業員に対し、月1度のPCR検査を推奨し、自己負担額3000円で実施していたが、1月からは無料にするという。対象者は3か月で延べ900人を見込んでおり、事業費は約500万円になる見込み。