変異型ワクチン、臨床試験進む…米は「改良型」の審査簡略化
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変異した新型コロナウイルスに対応するため、各ワクチンメーカーが、改良型ワクチンなどを追加接種する臨床試験を進めている。米食品医薬品局(FDA)は、改良型ワクチンの審査を簡略化する方針を打ち出した。
変異ウイルスのうち南アフリカ型は、ワクチンの効果が低下すると懸念されている。米モデルナ社は、南ア型に対応した改良型ワクチンを開発し、共同開発する米国立衛生研究所(NIH)に発送したと発表した。
同社は近く始める臨床試験で、従来型ワクチンを接種済みの人に対し、追加接種として〈1〉改良型ワクチン〈2〉改良型と従来型の混合ワクチン〈3〉従来型ワクチン――を投与する三つの方法を計画している。同社は「必要なら、改良型ワクチンを今年遅くか来年に供給する」としている。
米ファイザー社は、従来型ワクチンを追加接種することで、効果を高められるかを確認する臨床試験を始めた。南ア型に対応した改良型ワクチンも開発しているという。
両社とも現状の2回接種で、変異ウイルスにも十分な効果が見込めるとしているが、改良型が必要になった場合に備えて、準備を進めているという。FDAは先月下旬、改良型ワクチンや、従来型の追加接種に対しては、小規模の臨床試験で安全性や免疫の増強効果が確かめられれば、使用を許可する方針を示した。