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大阪の軽症・中等症患者、病床全体を圧迫…「医療崩壊といっていい状況だ」

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 大阪府に3度目の「緊急事態宣言」が発令される見通しとなった。府内では新型コロナウイルス感染者の急増で病床不足が危機的な状況になっている。重症病床に収容しきれず軽症・中等症病床で治療を継続する患者が増え、病床全体が圧迫されている。入院・療養先の調整を待つ人は約2500人で、「第3波」の感染ピーク時の2倍以上。即座に受け入れ先が見つからないケースが増加している。(山本美菜子、中田智香子)

窮余の策

大阪・ミナミをマスク姿で行き交う人たち
大阪・ミナミをマスク姿で行き交う人たち

 府内の20日時点の重症患者数は317人。府が確保している重症病床は259床で、実質的な病床使用率は122・4%となった。府は「窮余の策」として一部の重症患者を軽症・中等症病床で治療しているが、その数は60人に上る。

 これにより軽症・中等症病床の運用も厳しさを増している。重症患者を受け入れると人員が不足し、病床をフル稼働できなくなる病院もあるためだ。

 軽症・中等症患者を受け入れてきた「大阪暁明館病院」(大阪市此花区)は4月以降、必要に応じ、重症化した患者に人工呼吸器を付け治療を継続している。

重症化した患者への治療を継続している大阪暁明館病院のスタッフら=同病院提供、画像の一部を修整しています
重症化した患者への治療を継続している大阪暁明館病院のスタッフら=同病院提供、画像の一部を修整しています

 一般的に軽症・中等症患者なら看護師1人で4~7人を診られるが、重症患者になると1人か2人。同病院のコロナ病床は約20床だが、担当者は「1人が重症化するとマンパワーをそこに割かれ、一時的に軽症・中等症病床の稼働率を下げざるを得ない」と説明する。

 20日時点の府内の軽症・中等症病床数は計1784床で使用率は78・9%。300床以上残っている計算になるが、府幹部は「実際に即座に稼働できるのは100床程度かもしれない」と実情を明かす。

 緊急事態宣言の発令を求めた20日の会議で、府は重症患者約370人分の受け入れ態勢にめどがついたとしたが、数十人は軽症・中等症病床で治療を継続する前提だ。5月初旬に重症患者が400人を超えるとの試算もあり、府の専門家会議座長の朝野ともの和典・大阪健康安全基盤研究所理事長は「医療崩壊といっていい状況だ」と指摘した。

通常医療どう守る

 府内で入院・療養先などを調整中の人は20日時点で2493人。1日時点では590人で、病床逼迫ひっぱくに合わせて増加し、「第3波」で新規感染者数が最多だった1月8日時点で調整中だった1171人に比べても格段に多い。

 治療が必要な人のうち入院している割合を示す「入院率」は、19日時点で大阪府は12%。3月上旬の50%台から急速に低下しており、9割近くが自宅やホテルで療養している。東京都(32%)はもちろん、同じく感染者が急増中の兵庫県(17%)と比べても厳しい。

 府は19日、感染症法に基づき、府内の医療機関に軽症・中等症病床を更に計約1100床確保するよう要請したが、通常医療とのバランスが課題だ。

 厚生労働省は府内の病院の医療設備を精査して、重症病床は最大で464床確保できると算出する。また府によると機材だけなら、人工呼吸器は2524台、より重篤な患者に使う体外式膜型人工肺(ECMO=エクモ)は162台ある。

 しかし、すべてをコロナ用に割くことは現実的ではなく、稼働させるには専門の医療スタッフが必要となり、他の疾患の患者への治療にも影響しかねない。

 府健康医療部の幹部は「コロナ病床を確保すれば、ほかにしわ寄せが出る。しかし今のままでは入院先が最後まで見つからない患者が出かねない」とジレンマを口にする。

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1999338 0 医療・健康 2021/04/21 07:54:00 2021/04/21 13:24:19 重症化後も対応にあたるスタッフら(大阪暁明館病院提供)★★★患者にモザイク処理お願いします★ https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210421-OYT1I50031-T.jpg?type=thumbnail

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