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米がコロナ治療薬の開発強化、3500億円投入…年内の実用化目指す

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 【ワシントン=船越翔】米ホワイトハウスは17日、新型コロナウイルスの治療薬の開発強化に乗り出すと発表した。発症を防ぐワクチンの開発と普及に一定のメドがつき、今後は感染者の治療の拡充を図る。開発費などに32億ドル(約3500億円)を投入し、年内の実用化を目指す。

新型コロナウイルス
新型コロナウイルス

 米保健福祉省によると、国内では感染者の回復や重症化防止の効果が期待される治療薬の候補が19種類あり、臨床試験の審査手続きなどが優先されている。バイデン政権はこうした治療薬候補の実用化をさらに加速させるため、製薬企業や研究機関に対し、臨床試験の費用約10億ドルや薬の製造費約7億ドルなどを配分する。

 政権が特に重視するのが、摂取や保管が容易な経口タイプの治療薬だ。今月9日には今回の計画の一環として、米製薬大手メルクが開発中の経口薬「モルヌピラビル」170万回分を、当局の承認を前提に12億ドルで購入すると発表した。保健福祉省は「感染の初期段階で自宅で摂取できる経口薬があれば、国内外で多くの命を救うことができる」と意義を強調する。

 ワクチンの効果には個人差がある可能性が指摘され、安全性への懸念から接種を拒む人も一定数いる。米政府のアンソニー・ファウチ首席医療顧問は17日の新型コロナ対策チームのオンライン記者会見で、ワクチンだけでは感染を完全には抑えられない現状を踏まえ、「治療薬は、ワクチンを補う重要な要素となる」と語った。

 コロナ治療薬を巡っては、昨年10月に米当局が抗ウイルス薬「レムデシビル」を正式承認した。ただ、世界保健機関(WHO)は治療効果がないとして利用を推奨しないとの指針を示している。

 米国のワクチン接種件数は3億回を上回り、18歳以上の約65%が少なくとも1回の接種を終えている。

    ◇

 日本では、厚生労働省が治療薬の開発を急ぐため、臨床試験の費用などとして、複数の製薬企業にそれぞれ数億円規模の補助を実施する方針だ。現在、複数社と大学が治療薬の研究開発に取り組む。「中外製薬」(本社・東京)は今年3月、抗体を使った薬について国内で臨床試験を始めた。海外では軽症者らの入院や死亡のリスクを7割減らす結果が出ており、年内の承認申請を目指す。

 北里研究所は、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授が開発に貢献した抗寄生虫薬「イベルメクチン」について、新型コロナ治療に使えるよう、医師主導治験を行っている。

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2136135 0 医療・健康 2021/06/18 16:11:00 2021/06/18 16:11:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210618-OYT1I50052-T.jpg?type=thumbnail

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