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外出困難な要介護者、医師が手分けして訪問接種「空白作らない」

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 新型コロナウイルスワクチンの接種会場に行くことが難しい要介護者らへの支援の動きが広がっている。医師が出向いたり、車内で接種を受けられるようにしたりと、形態は様々だが、医師の確保など課題は残る。(米山理紗、田口直樹)

自宅で

外出が難しい高齢者の自宅を訪問し、ワクチンを接種する荘司さん(9日、東京都立川市で)
外出が難しい高齢者の自宅を訪問し、ワクチンを接種する荘司さん(9日、東京都立川市で)

 「腕の力を抜いて、だらんとして。チクッとしますよ」。今月上旬、立川在宅ケアクリニック(東京都立川市)の荘司輝昭院長(55)が86歳男性宅を訪ね、ベッドに横たわる男性の右上腕にワクチンを打った。

 男性は肺や心臓に持病がある。常に酸素の吸入が必要で、外出は困難だ。自宅での接種は2度目。「家で打てるのは、本当にありがたい」と話す。

 訪問接種は市医師会が5月中旬から始めた。対象となる高齢者らは約4万5000人。使用する米ファイザー製のワクチンは1瓶で6回分接種できるが、解凍・希釈後は6時間以内に使い切らなければならない。クリニックでは3~4人の医師で手分けして接種に回るようにしている。荘司院長は「無駄が出ないようにするのが大変だ」と話す。

 東京都瑞穂町や荒川区でも、医師らが高齢者宅を回って接種している。

「ドライブスルー」

 厚生労働省によると、介護なしで日常生活を送るのが難しい要介護4、5の高齢者は全国で約140万人。1人暮らしの高齢者も約700万人(推計)いる。

 自治体によるワクチン接種は、公民館などで行う集団接種と、かかりつけの医療機関で行う個別接種が中心だ。東京と大阪には自衛隊による大規模接種会場も設置され、接種の機会は拡大しているが、10~11月に希望者全員への接種完了という政府目標の実現には、要介護者らへの支援は欠かせない。山梨県山梨市は5月下旬から、医師が山間部の地区にある公民館や集会所に出向いて、住民にワクチンを接種している。地区に外出できない高齢者がいれば、自宅も訪ねる。ワクチン接種が始まる前から、月に250件以上の訪問診療を行ってきた市立牧丘病院の古屋聡医師(58)は「接種の空白を作らないことが大切だ」と訴える。

 問診から経過観察まで車に乗ったままで済む「ドライブスルー接種」を6日から始めたのは、静岡県三島市だ。会場は市内の三つの小学校の駐車場で、医師らが車を1台ずつ回るなどして接種する。

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2149304 0 医療・健康 2021/06/23 15:28:00 2021/06/23 15:28:00 新型コロナウイルスのワクチンを訪問接種する医師。東京都立川市で。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210623-OYT1I50067-T.jpg?type=thumbnail

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