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【独自】国産ワクチン実用化加速へ治験条件緩和…参加者数を数万人から数千人規模に縮小

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 政府は、新型コロナウイルスワクチンの効果や安全性を検証する臨床試験(治験)の条件を緩和する。本来は数万人必要な参加者数を、数千人規模に縮小する新たな方式を認める。日米欧などが先月、この方式の採用に合意した。海外に出遅れていた国産ワクチンの実用化に向けてスピードアップを図る。

 ワクチン開発を巡っては、新たな変異ウイルスへの対応や、国産品による安定供給が求められている。

 従来、開発の最終段階の治験は、国内外で数万人の参加者を集める。開発中のワクチンを接種するグループと、偽薬を接種するグループに無作為に分け、発症の予防効果や副反応の頻度を調べる。

 だが、世界では既に多くの人が米ファイザー製や米モデルナ製などの接種を受けている。今後、未接種者を数万人集めるのが厳しくなる。また、感染が拡大する中で、偽薬を使うことで、本来のワクチン接種が遅れるという課題もあった。

 新方式では、従来の方法の代替と位置づけ、参加者全員がワクチンを接種する。体内でウイルスを攻撃する免疫物質「中和抗体」が、既存のワクチンと同等以上にできるかどうかで判定する。発症の予防効果を調べるよりも、少人数で実施でき、短期間で効果を見極めることが可能になる。偽薬を使わないことから、参加者も集めやすくなる。ただし、まれに起きる副反応を確かめるため、数千人規模の参加者を確保する。

 製薬大手「第一三共」(東京都)は、年内にも新方式を使って、国内外で数千人規模での治験を始める計画を立てている。国内ではほかにも「塩野義製薬」(大阪府)、「アンジェス」(大阪府)、「KMバイオロジクス」(熊本県)などが開発を進めているが、まだ最終段階の治験は始まっていない。

 厚生労働省は約30か国・地域と新方式について合意している。製薬会社は、この方式の治験で、国産ワクチンを海外でも承認を得て販売できるようになる。

 国産ワクチンの実用化を加速するため、政府は6月、研究開発や生産体制の強化に関する国家戦略を閣議決定した。世界トップレベルの研究拠点や、治験を実施するための拠点病院、製造施設の整備などを盛り込んだ。

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2212450 0 医療・健康 2021/07/16 15:00:00 2021/07/16 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210716-OYT1I50136-T.jpg?type=thumbnail

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