【独自】大規模会場2930人の急性期副反応、9割が不安に伴うストレス原因…若者が3割強

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 防衛省が開設した新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場が今月末に閉鎖されるのを前に、自衛隊中央病院が急性期の副反応を示した2930人について分析したところ、約9割が接種への不安に伴うストレスが原因とみられることがわかった。若い世代の割合が高かった。ストレスと副反応の関係に絞った分析は厚生労働省もしておらず、同病院は自治体などに会場運営の改善策を提案する方針だ。(渡辺星太)

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自衛隊会場 今月で閉鎖

今月末で閉鎖される自衛隊東京大規模接種センター(8日午後、東京都千代田区で)=青木瞭撮影
今月末で閉鎖される自衛隊東京大規模接種センター(8日午後、東京都千代田区で)=青木瞭撮影

 東京・大手町の「自衛隊東京大規模接種センター」では、8日も来場者が絶えなかった。2回目の接種に訪れた埼玉県川口市の会社員(20)は、「地元の医療機関では予約が取れなかったので、この時期まで開けてくれていて助かった」と 安堵あんど した表情を見せた。その一方で、「新しいワクチンなので2回目も副反応が心配だ」と不安も口にした。

 防衛省が5月24日に開設した大規模接種センターは、全国に先駆けてモデルナ製ワクチンを使用しており、副反応に対するデータ収集にも力を入れてきた。

 同病院が9月24日までに東京会場で接種した延べ120万1688人について分析したところ、2930人(0・24%)が「急性期」(約30分以内)にじんましんやふらつきなどの副反応を発症した。このうち女性が1998人(68・2%)を占めた。いずれも回復し、重篤なアナフィラキシーショックを起こした人は0人だった。

 さらに、急性期に副反応を示した人のうち、2601人(88・8%)はストレス性の反応とみられ、極度の緊張や不安が引き起こす過呼吸や、「血管迷走神経反射」と呼ばれる失神・血圧低下などの症状が出た。こうした副反応は若年層ほど顕著で、20~34歳が3分の1以上を占めた。失神して転倒し、頭を強く打ちつけて救急搬送されたケースもあった。データは論文にまとめ、学術誌に投稿する予定だ。

 東京会場の接種隊長を務める河野修一1佐(43)は「ワクチンは安全とされるが、接種にストレスを感じていた人が一定程度いたことが明らかになった。若い人ほど不安を覚えていたことの表れではないか」と指摘する。今後、例えば予診票で不安感の有無について尋ね、該当する場合はベッドで横になってもらって接種をするなどの改善策を提案したい考えだ。

 同病院は、接種から数日後に腕が腫れたり赤くなったりする「モデルナアーム」と呼ばれる副反応についても分析した。7月1~7日に2回目の接種に訪れた4万2017人を調べたところ、5・6%(2369人)が発症していた。

 接種後、4~21日に症状が出て、7日後が最多だった。回復までの期間は発症後1~34日で、5日後が最も多かった。発症者のうち、女性は1950人で8割以上を占めた。女性の割合が高い理由は、「性別による免疫能、ホルモン、生活習慣の違いが関連していると考えられる」と推論している。

  感染症に詳しい長崎大の森内浩幸教授の話 「ワクチン接種による精神的なストレスが起こす副反応は、対処を講じやすいだけに、もっと知られるべきだ。インフルエンザのワクチン接種と比較して高い発生率であり、未知のワクチンに対して有害事象を網羅的に捉えたデータとして参考になる。年代別、性別の分析を詳細に進めることで、どのような集団に配慮すべきかや、集団接種の在り方を考える材料になるだろう」

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