がん治療に使う放射性物質、全量輸入から3割自給を原子力委提言へ…「常陽」など活用想定

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 政府の原子力委員会は20日、がんなどの画像診断や治療に使われる放射性物質「ラジオアイソトープ(RI)」について、経済安全保障上の観点から国内の自給率を約3割に引き上げる必要があるとの提言案をまとめる。

ラジオアイソトープ(RI)の製造が想定されている高速実験炉「常陽」(茨城県大洗町で、読売ヘリから)
ラジオアイソトープ(RI)の製造が想定されている高速実験炉「常陽」(茨城県大洗町で、読売ヘリから)

 現在は特定のRIをほぼ全量輸入に頼っている。RIは原子炉内で製造するため、日本原子力研究開発機構の研究用原子炉などを利用すべきだとしている。

 RIは、体内に投与して放射線を追跡しながら臓器の状態を検査する画像診断や、がん細胞を死滅させる放射線治療に使われる。欧州などからの輸入に頼るのは、年間約100万回の画像診断に使われる「テクネチウム99m」、がん治療の研究用の「アクチニウム225」など。

RIの試験製造を開始している研究炉「JRR-3」(茨城県東海村で)
RIの試験製造を開始している研究炉「JRR-3」(茨城県東海村で)

 提言案では、製造元の海外の原子炉が老朽化して稼働停止などが相次ぎ、RIの安定供給に支障をきたしていると指摘。RIが転移性前立腺がんの治療に高い効果を示す研究結果も報告されており、今後、世界で獲得競争が激しくなることが懸念されるとしている。

 自給率を高めるために、原子力機構の研究炉「JRR―3」(茨城県東海村)と高速実験炉「常陽」(同県大洗町、運転停止中)、民間企業での製造を想定している。

  ◆ラジオアイソトープ(RI)= 原子炉内の中性子を材料に照射して作られる放射性物質。天然にも存在し、放射性同位元素とも呼ばれる。医療用のほかに、工業・農業分野でも使われている。

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