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新型コロナウイルス感染症のPCR検査で、実施施設の16%が、法律で義務づけられた精度の確認作業を怠っていたとの調査結果を厚生労働省がまとめた。海外渡航前などに必要な「陰性証明書」を発行する診療所での未実施が目立つ。
新型コロナのPCR検査では、医療法や臨床検査技師法で、検査の精度を確保するため、定期的な分析結果の確認や作業手順を定めた文書の作成、職員研修などが義務づけられている。

調査は、厚労省が研究者らに委託し、昨年10月~今年1月に実施。全国の病院や診療所、地方衛生研究所、民間検査機関など1191施設の回答を集計した。
その結果、施設内で、試験用の検体を使って検査精度を確かめる作業をしていなかったのは16・4%にあたる195施設だった。診療所では、回答した45施設のうち16施設(35・6%)が未実施だった。45施設の大半が、自費検査や陰性証明書の発行を行っていた。
厚労省は、調査を踏まえ、精度管理を適切に行うよう、都道府県などに文書で通知した。
分析した宮地勇人・新渡戸文化短期大副学長(臨床検査学)は「精度管理が不十分な施設が多くあるのは大きな問題だ。信頼性が疑われる検査を高額で行っている施設もあるとみられ、改善が必要だ」と指摘している。