アンチエイジングな生き方は人生ハツラツ!

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 まず100歳までハツラツと、ということで、日本には100歳以上の方(「百寿者」ともいいますね)が何人おられるのか調べてみました。

100歳以上は7万人弱、88%が女性

(写真はイメージです)
(写真はイメージです)

 日本の100歳以上の高齢者の数は、老人福祉法が制定された1963年(昭和38年)には全国でわずか153人でしたが、81年(昭和56年)に1000人を超え、98年(平成10年)には1万人を超えました。さらに2012年(平成24年)に5万人を超え、18年(平成30年)9月1日現在では69,785人です。

 驚くべきことに、この100歳以上の高齢者のうち、88%が女性でした。

 女性のほうが男性よりも長寿ということは知っていますが、女性88%に対して男性は12%というのは、ちょっと差がつきすぎですね。平均寿命で見ると、厚労省が公開した「平成29年(2017年)簡易生命表」によれば、男性は「81.09歳」、女性は「87.26歳」で、男女で6.17年の差があります。

国ごとに異なる平均寿命の性差

 実は、この平均寿命の性差は国ごとに異なっています。世界保健機関(WHO)が2018年に発表したデータによると(いずれも2016年時点)、福祉国家の北欧では、ノルウェーでは男性80.6歳,女性84.3歳と3.7年の差、お隣のスウェーデンでは男性80.6歳、女性84.1歳と3.5年、さらにスイスでは男性81.2歳、女性85.2歳と4.0年と日本よりも男女の平均寿命の差が短いのです。

 日本と同じような差があるのは、韓国で男性79.5歳女性が85.6歳と6.1年とほぼ同じ。ダントツに差が大きいのがロシアで男性が66.4歳女性が77.2歳と男女差は10.8年に及んでいます。

幸福感が高い人が長生き

 幸福感が高い人が長生きをする傾向にあることはよく知られています。政府の調査では、女性の幸福度がどの世代でも男性より高めで、中でも65歳以上の女性の幸福度が最も高いことが報告されています。高齢者の幸福度には、経済的な不安がないことや、健康不安がないことも重要な因子ですが、特定非営利活動法人「老いの工学研究所」の調査では、幸福な高齢者の特徴は、日々の生活の中に前向きに取り組んでいることがあることを指摘しています。

 幸福な女性が男性よりも多いということは、女性がより長寿であることと関係あるかもしれません。

「女性は男性より3歳脳が若い」

 今年に入ってからのアメリカのベストセラーにMary Piper(メアリー・パイパー)さんのWomen Rowing North(女は前向きに人生を漕(ルビ:こ)いでいく)という本があります。 英語のRowing Northは調子が上向くように自分で(人生の流れの中でボートを)漕ぐという意味。女性がボートを漕ぐというのは日本ではあまりピンときませんが、女性は加齢に臆することなく、たくましく、かつたおやかに人生の流れを漕いでいこうということでしょうか。

 特に、この本がベストセラーになった背景には、アメリカの70歳代女性が、いま社会的に輝いていることがあげられます。例えば、国境に壁を造るというトランプ大統領と堂々と渡り合って屈服させたことで知られる下院議長のNancy Pelosi (ナンシー・ペローシ)さんは78歳、1月にゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞したGlenn Clos(グレン・クローズ)さんは71歳と、70歳代が女性の華とばかりに「ハツラツ」と活躍しています。

 そして今年の2月に、医学の世界でも、女性の若さに関する衝撃的な研究が発表されました。女性の脳は3歳、男性より若いというのです。脳の中のエネルギー代謝を測定して、人工知能(AI)で解析を行ったところ、脳の老化度は女性のほうがどの年齢でも、男性より若いという結果になりました。男性にはちょっとショッキングな研究ですね。でも私の義母が80歳になっても数独を楽しんでいるところをみても、女性の脳は若いというのは、うなずけるところです。

自信と意思決定力を持つ90歳以上の人々

 脳が若いということは、心も健やかだということにつながります。

 イタリア南部のチレントは、人口6万人に対し100歳以上が2000人もいるという長寿村です。この村に住む91~101歳の人たちの特長は、自信があり、意思決定能力が高く、さらに「頑固」である一方で周囲の変化に適応し、物事を楽観的に捉えて困難を乗り越える能力が高いことにあるそうです。

 ドイツの文豪ゲーテは『ただはつらつとした活動によってのみ、不愉快なことは克服される』と語っていますが、「ハツラツ」とした毎日を送ることが、脳を若く保って、アンチエイジングする第一歩ですね!

堀江 重郎
プロフィル
堀江 重郎( ほりえ・しげお
 順天堂大学大学院教授。泌尿器科医。日米で医師免許を取得し、泌尿器科学、腎臓学、分子生物学を学ぶ。国立がんセンター中央病院、帝京大学教授などを経て、2012年より現職。アンチエイジング医学を研究する医師が集う日本抗加齢医学会理事長。手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を駆使する泌尿器科医のトップランナーとしても知られる。
無断転載禁止
445239 0 アンチエイジングな生活 2019/02/15 11:00:00 2019/04/08 11:11:35 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190214-OYT8I50009-T.jpg?type=thumbnail

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